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CHUDEN純正 CZ-800 VS 互換品~レコード針は見た目じゃない~

生産終了となった純正カートリッジ CZ-800 PT-01RS と互換品の性能を比較してみました。

前回は

本稿の以前に CZ-800 互換カートリッジをユニバーサルヘッドシェルに接続する方法について紹介しました。

前回のブログページ:
https://bokunimo.net/blog/audio/5361/

(参考) 前回のショート動画(30秒)

今回はCHUDEN純正品

今回は日本メーカー CHUDEN (旧CHUO DENSHI・群馬県) の純正カートリッジ CZ-800 の音色を確認してみました。交換針には、純正品 CZ-10S2 と同一と思われる PT-01RS2 (2個入り)の新品を使用しました。

※CHUDEN を示すΦマークが入っていることと、大手量販店で購入したことから純正品だと判断。ただし、OEM先の型番 PT-01RS2 の製品。

CHUDENの純正カートリッジ CZ-800 と交換針 PT-01RS1 (PT-01RS 1個入り)、 PT-01RS2 (PT-01RS 2個入り) をユニバーサルヘッドシェルに接続したときの様子
CHUDENの純正カートリッジ CZ-800 と交換針 PT-01RS2 をユニバーサルヘッドシェルに接続したときの様子

見た目

下図の写真を見て、純正品がどちらか分かるでしょうか? 実は、左側の玩具のような方が純正品です。

CZ-800 純正交換針 CZ-10S2 (左)と、その互換品(右)
CZ-800 純正交換針 CZ-10S2 (左)と、その互換品(右)

製作方法

ユニバーサルヘッドシェルへの変換回路は、前回、互換品用に作成したものを使用しました。互換品用にチューニングした回路なので、対戦条件としては互換品の方が有利です。

CHUDEN純正カートリッジ CZ-800 をユニバーサルヘッドシェルに接続できるように回路を追加した
CHUDEN純正カートリッジ CZ-800 をユニバーサルヘッドシェルに接続できるように回路を追加した

対決結果(周波数特性)

周波数特性の比較結果を以下に示します。

CZ-800 純正品と、その互換品の周波数特性の比較結果

CHUDEN 純正 CZ-800 (グラフ・青)の方が全体的に平坦でした。また、高音は 10 kHz までの再生能力があります。一方の互換品は 8 kHzくらいまでしか再生できません。

互換品の方は低音側にも落ち込みが見られます。一方、純正品の方は低音側が平坦です。しかも、純正品のほうは、まだチューニングによる伸びしろが残っている可能性があります。

なお、測定値はサンプル数1の簡易な測定機器によるものです。比較のための目安値として掲載しています。

以上の今回の内容をまとめたショート動画(20秒):

実際に聞いてみる

全然、違います。互換品では聞こえなかった音が、純正品では明瞭に聞こえました。また、純正品は歪みが少ないように感じました。しかも、周波数特性の向上と相まって、よりクリアな音色に感じました(筆者主観)。

ただし、音圧はやや低くなりました。互換品と同じ音量を得るにはアンプのボリュームが少し高めにします。

追加チューニング方法(案)

出力音圧を上げるには

音圧を上げるには、減衰量45dBを38dBに緩和します。負荷抵抗を10kΩに変更すると良いでしょう。

CHUDEN 純正 CZ-800 用のチューニング例1(未検証)
負荷抵抗を増やすことで、約7dB、出力を上げてみる

インピーダンスを下げるには

あるいは、カートリッジの出力インピーダンスが互換品よりも低い可能性があります。負荷抵抗は4.7kΩのまま、直列抵抗を小さくして、同じ割合で直列コンデンサを増やしてみると良いでしょう。

CHUDEN 純正 CZ-800 用のチューニング例(未検証)
CHUDEN 純正 CZ-800 用のチューニング例1(未検証)
減衰抵抗を減らすことで、約6dB、出力を上げてみる

残念ながら純正品は生産を終了しています。この先、互換品しか手に入らなくなると考えらます。このため、筆者はこれ以上の追加チューニングは実施しないつもりです。

まとめ

タイトルに反しますが、オーディオ機器においては、見た目が大事です。仮に音質が全く同じであった場合、見た目の良い方が良い音がします。科学的には美的感覚に関する脳神経の活発化による聴覚への影響と考えられます。オーディオ機器側ではなく脳神経側の伝達密度を高めるのです。機器の音質はありませんが、実際に良い音で聴けるので、機器が提供する効果と言えます。

つまり、オーディオ機器の見た目を良くすることは、音質を高めるための手段の一つです。また、互換品は純正品よりもコストを下げつつ音質維持を講じる必要があります。今回使用した互換品は、見た目で音質を高めた商品とも言えるでしょう。

しかも、今回の互換品は純正品の1/10の価格です。純正品が生産終了している状況を考えると、本当の勝者はどちらだったのでしょう。

勝敗は、このブログを書く前から決まっていたのかもしれません。

by bokunimo.net

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