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IchigoJam

ガラスパッケージLEDで電圧変換してマイコンを動かしてみよう

IchigoJam用マイコンの電源には、USBの5Vを3.3Vに変換してから、入力・供給します。通常、レギュレータを使用して電圧を変換します。今日は、ここにLEDを使ってみました。
LEDのアノードを5V側に、カソードをマイコン側に接続します。一般的なLEDだと、2Vくらい低下して出力するので、ちょうど3Vくらいになります。
5V —|>| — 3 V
LED
しかし、普通のLEDでは面白くありません。そこで、「ガラスパッケージLED 5mmウォームホワイト色LED GPL/W/A00002/FA/ST」を使用してみました。
さて、LEDによって低下する電圧の目安値は、データシートなどに書かれている「順方向電圧VF」という部分を確認します。このLEDのVFは3.1Vです。したがって、
5V - 3.1V = 1.9V
一方、マイコンは1.8V以上無いと動作しません。
楽しいですか? わくわくドキドキしますか?
やってみました。
光ました!!
写真ではお届けできないのが残念なくらいキレイです。
肉眼では、電球のように一点が、輝き、★(星)のように見えるじゃありませんか。
良かったよかった。
おっと、そこじゃありません。
後のモニタにIchigoJam BASICがちゃんと起動している様子が映っていることを、見逃さないでください。
ここでテスターで電圧を測ってみると、マイコンには2.1Vが供給されていました。つまりVFは2.9Vとなります。
VFにはばらつきがあるのと、流れる電流によって、変動するからです。
適切に動かすにはVF=2V程度のLEDを使いましょう(いや、レギュレータです。)
反対に、一般的な小信号スイッチングダイオードだとVFは0.6Vから1.0Vくらいです。今度は高い電圧がかかってしまいます。
5V - 0.8V = 4.2V
安心してください。ずっと使い続けるのは、良くありませんが、実験レベルであれば、使えないこともありません。
以下は、その理由です。

このマイコンの動作電圧範囲は、どうなっているのでしょうか?

このグラフはマイコンに入力する電源の電圧と、マイコンの消費電流の関係を示したものです。
1.5V~1.7Vの範囲では、マイコンが起動しませんでした。上図は、一度、1.8Vくらまで電圧を上げてから、1.5Vに下げて、測定した結果です。
電池が減って行くときは1.7V以下でも動く場合がありますが、1.7Vの状態から始動することは出来ません。
また、一般的に、定電圧時に処理が増えると不安定になる傾向があります。なるべく3V以上で使うようにしましょう。
次に、高い方を見てみましょう。2.0V~3.6Vの範囲では、電圧に対して、電流の増加が一定しています。しかし、3.7Vを超えると電流増加量が増します。これはマイコン内の保護素子などによる増加なので好ましくありません。
そして、4.6Vを超えると、著しく増加し始めます。
4.6Vはこのマイコンの絶対最大定格です。本来、4.6V以上で動かしてはいけませんが、このグラフから4.6Vくらいまでなら、著しい消費電力の増大も無いので、それなりに安定して動作することが予想できます。
次に心配なのは、マイコンの個体差によるばらつきです。下図は4.6Vで動作させたときの消費電力を、約30個のマイコンで測定した時の度数分布です。22.7mAが最も多く7個ありました。最も高い、23.2mAのサンプルですが、実際には23.15mAでした。ギリギリで上に切りあがってしまったので目立ちます。
これらの測定結果から、標準偏差を求めれば、例えば99.7%(3σ)の範囲で、電流の偏差がどれぐらいになるか、その電圧換算値がいくらになるのかを推測することができます。
製作台数が、数百台のレベルであれば、0.2~0.3Vくらいのマージンをもって、4.3V以下で使える可能性があります。
なお、「使える」と言っも、あくまで実験レベルの話です。これらのグラフは、ちゃんとばらつきや危険性も教えてくれています。
製品用に使用するのはもってのほかですし、動かしっぱなしの用途には使用できません。
by ボクにもわかるIchigoJam用マイコンボード

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