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やっと入手することが出来た
ラズベリーパイ財団が Raspberry Pi Zero 2 W を発売したのは2021年10月28日です。ところが、なかなか入手することが出来ず、2日前にやっと日本国内で使用できる製品を入手することが出来ました。
発売されてから10か月も待った
Raspberry Pi Zero 2 WにはWi-FiやBluetoothが搭載されているので、日本の電波法に基づいた工事設計認証が必要です。国内では2022年3月23日に認証が承認され、2022年6月21日から発売が始まりました。また、半導体不足の影響で品不足となりました。このため、国内の初回の販売では購入できず、販売も抽選でした。運よく当選し、スイッチサイエンスから入手することが出来ました。
届いた製品は、下図の上側のRev. 1.11です。もちろん国内で使用することが出来ます。
一方、下図の下側のRev. 1.10は、海外で販売されていたもので、認証を受ける前に購入したものです。認証が得られていない製品の電源を入れて使用することは出来ません(ハードウェアやファームウェアが認証に含まれていれば使用できる可能性があるが未確認)。
Wの無いZero 2
Zero 2 Wの基板に印刷されている型名はRaspberry Pi Zero 2です。Wが印字されていませんが、ちゃんとWi-Fi無線LANとBluetoothを搭載しています。アンテナがパターンアンテナなので、無線機能が省略されているのではないかと心配になることもあるでしょう。執筆時点では、Zero 2には無線なしというバージョンはありませんし、今後も無線なし版が出るとは考えにくいと思います。
消費電流比較結果(実測)
操作待機時の消費電流の比較
Raspberry Piが起動しているが操作していない時の消費電流を測ったところ、旧製品Zero Wよりも31%~43%ほど増えていました。
OSにRaspberry Pi OS Lite 32bit 2021-05-07を使用した場合は31%の増大でした。ところが、64bit 2022-04-04にすると43%の増大となりました。
今回、入手した電波法に関する認証取得品については、Wi-Fi無線機能による差も測定しました。無線をONすると2mA~3mA程度、消費電流が増大することが分かりました。
操作待機時の消費電流の比較結果
Raspberry Pi Zero Model | RPi OS | 無線 | 待機時消費電流 |
2 W Rev. 1.11 | 20220404 64bit | ON | 117 mA (46%増大) |
2 W Rev. 1.11 | 20220404 64bit | OFF | 114 mA (43%増大) |
2 W Rev. 1.11 | 20210507 32bit | ON | 110 mA (38%増大) |
2 W Rev. 1.11 | 20210507 32bit | OFF | 108 mA (35%増大) |
2 W Rev. 1.10 | 20210507 32bit | OFF | 105 mA (31%増大) |
W | 20210507 32bit | なし | 80 mA (基準) |
動作時の消費電流の比較
次に、負荷を与えたときの消費電力を比較してみました。使用したプログラムは、何もしないループ処理を繰り返すだけのプログラムです。旧製品Zero Wよりも34%~47%のほどの増大となりました。
負荷を与えるプログラム:
https://github.com/bokunimowakaru/raspifan/blob/master/nop_stress.py
動作時の消費電流の比較結果
Raspberry Pi Zero Model | RPi OS | 動作時消費電流 |
2 W Rev. 1.11 | 20220404 64bit | 213 mA (47%増大) |
2 W Rev. 1.10 | 20210507 32bit | 195 mA (34%増大) |
W | 20210507 32bit | 145 mA (基準) |
スリープ時の消費電流
最後は、電源OFF時のスリープ時・消費電流です。起動状態からシャットダウンを実行してから測定しました。USBとHDMIはシャットダウン処理が始まる前に外しました。
電源OFF時の消費電流の比較結果
Model | スリープ時消費電流 |
Raspberry Pi Zero 2W Rev. 1.11 | 51 mA (約38%増大) |
Raspberry Pi Zero 2W Rev. 1.10 | 53 mA (約43%増大) |
Raspberry Pi Zero W | 37 mA |
最近のRaspberry Piは、電源OFF時の電流が減る傾向があり、例えば、Raspberry Pi 4 Model Bでも22mAです。Zero W 2は51mAと大きいので、例えば普段はOFFしていて、1時間に1回だけ起動して処理後にOFFするような使い方の場合には注意が必要です。
デスクトップ版での動作確認
消費電力の測定に使用したRaspberry Pi OS Lite版は、コマンドラインしか使えないCLIバージョンでした。
下図は、Raspberry Pi OS 32bit デスクトップ版 2021-05-07での動作確認のようすです。デスクトップでLXTerminalを開き、topを実行してみました。また、インターネット・ブラウザで、当ブログにアクセスもしてみました。
メモリの余裕は少ないものの、安定して動くことが分かりました。とはいえ、ウィンドウを開くたびに、数秒単位で待たされるので、設定管理を行う程度の利用範囲にとどまりそうです。
ご注意
ここに示した測定結果は、未校正のデジタル・マルチメーター(テスター)の電流測定機能によるものです。また、測定対象の個体ばらつきや、測定条件によっても値は変化します。測定例の目安情報として提供しており、掲載した機器の性能を示すものではありません。
参考情報
以下は、以前に無線なし状態で比較したときのブログです。
by bokunimo.net