「IchigoJam用コンピュータ電子工作学習キット(IF ICH-KIT)」が4月15日にCQ出版社より発売されました。
インターフェース増刊『1行リターンですぐ動く!BASIC I/OコンピュータIchigoJam入門』
目次
IchigoJam用コンピュータ電子工作学習キット(IF ICH-KIT)
- 価格17,280円(税込)
- 2016年4月15日発売!
概要:
インターフェース増刊『1行リターンですぐ動く!BASIC I/OコンピュータIchigoJam入門』で紹介したキャタピラ車とIchigoJamマイコンなど,自律走行に必要なパーツと専用基板のセットです.
※ワイヤレス用のBluetoothユニットとその周辺部品は含まれません.
※ワイヤレス用のBluetoothユニットとその周辺部品は含まれません.
※この写真は試作品につき一部の仕様が異なります。
※ワイヤレス用のBluetoothユニットとその周辺部品は含まれません。
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パーツセットの中身は?
発売元のページの情報だけだと、中身が想像しにくいと思いますので、本ブログで解説いたします。雑誌「1行リターンですぐ動く!BASIC I/Oコンピュータ IchigoJam入門」(以下、本書)をお持ちの方は、ワイヤレス(BluetoothやZigBee)以外のプログラムを動かすことが出来るセットであると考えていただければ良いでしょう。あるいは、雑誌の目次や内容の一部が下記で公開されているので、参照していただくとイメージがつきやすいでしょう。
パーツセットには、2種類のIchigoJamマイコンボード(IchigoJamライセンス済のマイコン付属)のほか、ゲームの操作などに使用するキーパッド基板(Keypad Shield)、2つのモータや4つのLEDを搭載したモータードライバ基板(Motor Driver Shield)、さらにキャタピラ車のキット、USBシリアル変換基板やEEPROM(1024kbit)、安定した動作に欠かせないACアダプタなどが含まれています。
以下に、含まれるパーツの詳細を説明します。ただし、予告なく仕様が変更になる場合があります。購入の際の参考情報としてご覧いただければと思います。
全部入り!? IchigoJam 用マイコンボード
本書でPersonal Computer基板と呼んでいるIchigoJam用マイコンボード(IchigoJam BASICファームウェアが書かれたマイコンを搭載した、マイコンボード)です。全部入りを目指しました。
まず目を引くのは、付属の小型の液晶です。本書内に、この液晶を使用してゲームを作る記事を紹介しています。また、EEPROMやUSBシリアル変換基板も付属します。
最も特長的なのはArduino 用のシールドと似たような拡張IOを搭載していることです。一部のArduino用シールドを装着することもできます。Arduino用のユニバーサル基板を使用することで、自作のシールドも作りやすくなります。もちろん、新旧の純正のシールドも使用可能です。ピンソケットは写真以外にも1本、余分に付属しているので、Arduino似とIchigoJam用の両方にピンソケットを実装することが出来ます。
このプリント基板には、Arduino似の拡張IO以外にも、いくつかのこだわりがあります。
一つ目は電源です。純正のIchigoJamプリント基板に電子回路を拡張する際に、電源の容量不足やノイズ混入が生じる場合があったので、電源には特に留意しました。
また、様々な拡張を考慮し、3.3V電源レギュレータには150mAのタイプのものを、5Vには500mAのタイプのものを使用しました。もちろん、付属のレギュレータは保護回路内蔵です。一部の電源のコンデンサにはオーディオ用の高品質タイプを使用して電源の揺らぎを抑えています。3.3V側はDCDCコンバータへの変更を考慮したスペースを確保し、5V側には放熱用のパターンを確保しました。
下図のような、ACアダプタも付属します。電源部が原因で不安定な動作に陥らないためにも、ぜひ使って欲しいです。
ファームウェアの書き換え時に便利なISPボタンもあります。特長は独自のワンプッシュ方式です。頻繁にファームウェアを書き換える場合、とても便利です。
マイコンのシリアル通信の接続先を、切り替えるシリアルスイッチも便利です。シールド(IO)と、パソコン(USB)とをスイッチ一つで切り替えることが出来ます。圧電ブザーによるサウンド出力も搭載しています。こういったスイッチやコネクタ、ブザーなどは、シールドの邪魔にならないように配置しました。
キーパッド基板(Keypad Shield)
7個のキーが搭載可能な拡張基板です。大型のタクトスイッチ6個と、通常のサイズのタクトスイッチ1個が付属します。指1本で操作できる4方向キーと、3個の汎用キーを使って、ゲームの操作だけでなく、様々な操作に応用できるでしょう。押下したキーに応じた信号を3本の信号で出力します。Arduinoに接続することも可能です。
キャタピラ車(タンク車)キット
モータードライバ基板(Motor Driver Shield)
モータードライバ基板(Motor Driver Shield)は、IchigoJam用マイコンボードを使ってモーターを駆動するための拡張基板です。4つのLEDを実装し、これらの点灯を制御することも可能です。もちろん距離センサも付属します。ブロックターミナルには、モーターや距離センサ、さらに外部電源を接続することが可能です(写真のブロックターミナルは別メーカ品に変更予定)。
もし、Bluetooth モジュール RN-42XVPやXBee ZBモジュールをお持ちでしたら、この基板に装着してワイヤレスの実験を行うことも出来ます。XBee ZBモジュールを使えば、IchigoJamマイコンのスリープ制御も可能なので、乾電池で長期間の駆動が可能なIoT機器を製作することも可能です。
もう一つのIchigoJam用マイコンボード
もう1枚、IchigoJam用マイコンボードが付属します。こちらは組み込み専用です。キャタピラ車に実装するために乾電池で動かすことを想定しています。
キャタピラ車(タンク車)キット
次はキャタピラ車のキットです。大きく3つのキットと、ビスやスペーサで構成されています。下図はギヤボックスです。ギアボックスに搭載するモーター2個も付属します。
これだけのパーツを個別でそろえようとすると、それなりに時間や手間がかかります。私自身も、本書を執筆するときのパーツ集めには苦労しました。本書内のパーツリストの部品を注文するだけでも、時間を要しますが、それだけではありません。試作を繰り返すうちに、同じ部品が手に入りにくくなるなどで代替え品を探すのにも苦労しました。さらに、基板に実装できずに、注文し直す必要も発生しました。このため、一部、本書とは異なる代替品が含まれています。
このパーツセットに含まれる部品は、入手性などを考慮して、再度、調達し、動作確認してから、部品の構成を最終確定しました。
また、基板ごとに異なる袋に分けた状態で、お手元に届けられる予定です。マイコンにはファームウェアが書かれた状態なので、製作後、すぐに使うことが出来ます。
これらの実現には、部品を調達していただいた福井県にある会社やCQ出版社さんなど、多くの方々の協力で成り立っています。パーツだけではなく、そういった労力も含まれたパーツセットと言えるでしょう。
このパーツセットを買わずに、自分で製作することも可能です。雑誌を購入していただいた方であれば、P.91に記載の方法で基板やパーツの情報をダウンロードすることが可能です。
現時点では、このパーツセットを購入していただく方法と、自分でパーツセット相当品を製作する方法とがあります。相当品の製作に関する情報も、当ブログや下記の当方のウェブサイトにて、公開しております。
お買い求めはこちらから(CQ出版社):
どうぞ、よろしくお願いいたします。
ボクにもわかるIchigoJamマイコンボード
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