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Raspberry Pi Pico 2
Raspberry Pi Pico 2 は、デュアルコア ARM Cortex-M33 150MHz を搭載した小型マイコンボードです。従来の Raspberry Pi Pico の後継モデルとして登場しました。価格はPicoの $4 から $5 にアップしました。
マイコン RP2350
Raspberry Pi Pico 2 には、Raspberry Pi 財団が新規開発したマイコン RP2350 が実装されています。下図の中央のチップが RP2350 です。
従来モデルとの違いを以下に示します。
Raspberry Pi Pico | Raspberry Pi Pico 2 | |
MPU | RP2040 | RP2350 |
Core | ARM Cortex-M0+ × 2 | ARM Cortex-M33 × 2 |
Clock | 133MHz | 150MHz |
SRAM | 264 KB | 520 KB |
フラッシュ | 2MB(ボード) | 4MB(ボード) |
価格 | $4 (発売時550円) | $5 (発売時990円) |
発売開始(国内) | 2021年2月1日 | 2024年9月3日 |
参考文献:RP2350 A microcontroller by Raspberry Pi, Raspberry Pi Ltd., 6 September 2024
RISC-Vコア Hazard3 搭載
Raspberry Pi Pico 2 は、デュアルコア ARM Cortex-M33 に加えて、デュアルコア RISC-V Hazard3 を内蔵しています。
下図のように搭載コア数は合計4コアとなりますが、内部バスはデュアルコア構成となっています。したがって、同時に動作可能なのは4コア中2コアまでです。
コアの片側をARM、もう片側をRISC-Vに割り当てれる
RP2350の仕様としては、片側のコアをARMに、もう一つをRISC-Vに割り当てることも可能です。
しかし、開発環境上、通常はデュアルARMまたはデュアルRISC-Vの切り替えとなります。例えば、MicroPythonのファームウェアについても、ARM用とデュアルRISC-V用が別々に提供されています。
Raspberry Pi Pico 2 用 MicroPython:
https://micropython.org/download/RPI_PICO2/
つまり、ARMとRISC-Vの同時使用は可能ですが、その手段は容易ではないので、一般的にはどちらかを選んで使うことになります。
純正ケース?に入れて動作確認
これはジョークに近いですが、金属などに接触しない方法として実用的でもあります。
作り方は下記を参照してください。
純正!? Raspberry Pi Pico用ケース!?
https://bokunimo.net/blog/raspberry-pi/1485/
[ご注意] 本ケースは静電気を防止するために導電性があるので、誤作動の原因になることがあります。ケースに入れない場合に比べると、実験中のショートによる事故を防げます。しかし、本来の使用方法ではありません。cyberveganさん、ご指摘、ありがとうございます。
MicroPython × ARM 使用時の消費電流
通常動作時、スリープ状態、ライトスリープ状態、ディープスリープ状態の時の消費電流を確認してみました。RP2040を搭載した Pico W に比べて約25%下がっていました。
動作モード | Pico W (Wi-Fi OFF) | Pico 2 (ARMモード) |
通常動作 | 21.9 mA | 16.3 mA |
sleep (通常) | 19.4 mA | 16.1 mA |
lightsleep (ライトスリープ) | 1.4 mA | 16.0 mA |
deepsleep (ディープスリープ) | 1.4 mA | 15.8 mA |
Pico W のファームウェア:v1.23.0 2024-06-02
Pico 2 のファームウェア:v1.24.0-preview.201
電流測定時に Raspberry Pi Pico 上で動作させたソフトウェアは、下記からダウンロードできます。
動作確認に使用したソフトウェア:
https://github.com/bokunimowakaru/pico/
通常動作: test_nop_stress.py
スリープ: test_deepsleep.py
現時点でディープスリープ Deepsleep には未対応
現在のファームウェア v1.24.0-preview.201 は、ライトスリープ Lightsleep や、ディープスリープ Deepsleep には対応していないようです(ARMモードのMicoroPython使用時)。
従来の Raspberry Pi Pico についても、発売された 2021年2月から1年くらいの期間は、対応していませんでした。しかも、当初は下記のような不具合も発生していました。今回も発生するかもしれないので、ご注意ください。
端子配列は完全互換
Rasberry Pi Pico 2 の GPIO や各種ペリフェラル用の端子は従来品と完全互換です。もちろん、機能は拡張されています。
Programmable IO で割り当てれる(作り出せる)ので、特記するまでもありませんが、一応、ピン配列を確認しました。
下図はRaspberry Pi 公式ページの Rasberry Pi Pico 1 と Pico 2 の共通のピン配置図です。
購入方法
現在は、スイッチサイエンス(9月3日~)、ケイエスワイ(9月2日~)で購入することができます。また、秋月電子通商も発売の準備中のようで、Rasberry Pi Pico 2 用のカテゴリが出来ていました。
下記は、各販売店へのリンクです。価格は執筆時点のものです。1台だけの場合は、送料の安いスイッチサイエンスのほうが安いです。筆者はスイッチサイエンスから購入しました。
スイッチサイエンス(990円+送料200円):
https://www.switch-science.com/products/9809
ケイエスワイ(913円+送料550円)
https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/1094/
秋月電子通商(執筆時点で準備中):
https://akizukidenshi.com/catalog/r/rrp2350/
なお、パソコンとの接続に、Micro USB Type-B 端子付きのUSBケーブルが必要です。
開発環境 Thonny
開発環境 Thonny から MicroPythonのファームウェアをインストールできます。
後述の記事内に、Raspberry Pi Pico W用のインストール方法を書いていますが、Pico 2の場合は variant で「Raspberry Pi・Pico 2」を選択してください。
従来モデル Raspberry Pi Pico W の使い方を下記で説明していますので、参考にしてください。
by bokunimo.net
「Raspberry Pi Pico 2 の消費電流と Deepsleep 確認」への3件の返信
[…] Raspberry Pi Pico 2 の消費電流と Deepsleep 確認 […]
メリットが 私にはあまり関係ない感じです
pico wの方が自分には合ってるなあ
お世話になっています。コメントありがとうございます。ボクも通信での利用がメインなので、断然、Pico W です。ほぼ、Pico W 2 を手に入れるまでの練習用です。