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Raspberry Pi

Raspberry Pi Pico 2 の消費電流と Deepsleep 確認

Raspberry Pi Pico 2 が 2024年9月3日に国内発売されました。まずは、純正ケース?に入れて、消費電流と Deepsleep モードの実装状況について確認してみました。

Raspberry Pi Pico 2

Raspberry Pi Pico 2 は、デュアルコア ARM Cortex-M33 150MHz を搭載した小型マイコンボードです。従来の Raspberry Pi Pico の後継モデルとして登場しました。価格はPicoの $4 から $5 にアップしました。

デュアルコア ARM Cortex-M33 150MHz を搭載した Raspberry Pi Pico 2

マイコン RP2350

Raspberry Pi Pico 2 には、Raspberry Pi 財団が新規開発したマイコン RP2350 が実装されています。下図の中央のチップが RP2350 です。

Raspberry Pi財団が新規開発したマイコン RP2350 が実装された Raspberry Pi Pico 2

従来モデルとの違いを以下に示します。

Raspberry Pi PicoRaspberry Pi Pico 2
MPURP2040RP2350
CoreARM Cortex-M0+ × 2ARM Cortex-M33 × 2
Clock133MHz150MHz
SRAM264 KB520 KB
フラッシュ2MB(ボード)4MB(ボード)
価格$4 (発売時550円)$5 (発売時990円)
発売開始(国内)2021年2月1日2024年9月3日
従来モデルよりも高性能化したRaspberry Pi Pico 2:型番の数字「2350」はデュアルコアの2、Cortex-M33コアの3、RAM容量520KB(log2(容量/16kB))の5、チップ内フラッシュ容量0KB(log2(容量/128kB))の0を示す(Why is the chip called RP2350?)
参考文献:RP2350 A microcontroller by Raspberry Pi, Raspberry Pi Ltd., 6 September 2024

RISC-Vコア Hazard3 搭載

Raspberry Pi Pico 2 は、デュアルコア ARM Cortex-M33 に加えて、デュアルコア RISC-V Hazard3 を内蔵しています。

下図のように搭載コア数は合計4コアとなりますが、内部バスはデュアルコア構成となっています。したがって、同時に動作可能なのは4コア中2コアまでです。

ARM 2コア、RISC-V 2コアで合計4コアとなるが、内部バスはデュアルコア構成なので、同時に動作可能なのは4コア中2コアまで
引用:RP2350 A microcontroller by Raspberry Pi, Raspberry Pi Ltd., 6 September 2024

コアの片側をARM、もう片側をRISC-Vに割り当てれる

RP2350の仕様としては、片側のコアをARMに、もう一つをRISC-Vに割り当てることも可能です。

しかし、開発環境上、通常はデュアルARMまたはデュアルRISC-Vの切り替えとなります。例えば、MicroPythonのファームウェアについても、ARM用とデュアルRISC-V用が別々に提供されています。

Raspberry Pi Pico 2 用 MicroPython:
https://micropython.org/download/RPI_PICO2/

つまり、ARMとRISC-Vの同時使用は可能ですが、その手段は容易ではないので、一般的にはどちらかを選んで使うことになります。

純正ケース?に入れて動作確認

Raspberry Pi Pico 2用の純正ケース?に入れた例

これはジョークに近いですが、金属などに接触しない方法として実用的でもあります。

ジョークに近いが、簡易的なケースとして利用できる

作り方は下記を参照してください。

純正!? Raspberry Pi Pico用ケース!?
https://bokunimo.net/blog/raspberry-pi/1485/

[ご注意] 本ケースは静電気を防止するために導電性があるので、誤作動の原因になることがあります。ケースに入れない場合に比べると、実験中のショートによる事故を防げます。しかし、本来の使用方法ではありません。cyberveganさん、ご指摘、ありがとうございます。

MicroPython × ARM 使用時の消費電流

通常動作時、スリープ状態、ライトスリープ状態、ディープスリープ状態の時の消費電流を確認してみました。RP2040を搭載した Pico W に比べて約25%下がっていました。

動作モードPico W
(Wi-Fi OFF)
Pico 2
(ARMモード)
通常動作21.9 mA16.3 mA
sleep
(通常)
19.4 mA16.1 mA
lightsleep
(ライトスリープ)
1.4 mA16.0 mA
deepsleep
(ディープスリープ)
1.4 mA15.8 mA
RP2040を搭載した Raspberry Pi Pico W と、新製品 Raspberry Pi Pico 2 の消費電流比較
Pico W のファームウェア:v1.23.0 2024-06-02
Pico 2 のファームウェア:v1.24.0-preview.201

電流測定時に Raspberry Pi Pico 上で動作させたソフトウェアは、下記からダウンロードできます。

動作確認に使用したソフトウェア:
https://github.com/bokunimowakaru/pico/
通常動作: test_nop_stress.py
スリープ: test_deepsleep.py

現時点でディープスリープ Deepsleep には未対応

現在のファームウェア v1.24.0-preview.201 は、ライトスリープ Lightsleep や、ディープスリープ Deepsleep には対応していないようです(ARMモードのMicoroPython使用時)。

従来の Raspberry Pi Pico についても、発売された 2021年2月から1年くらいの期間は、対応していませんでした。しかも、当初は下記のような不具合も発生していました。今回も発生するかもしれないので、ご注意ください。

端子配列は完全互換

Rasberry Pi Pico 2 の GPIO や各種ペリフェラル用の端子は従来品と完全互換です。もちろん、機能は拡張されています。

Programmable IO で割り当てれる(作り出せる)ので、特記するまでもありませんが、一応、ピン配列を確認しました。

下図はRaspberry Pi 公式ページの Rasberry Pi Pico 1 と Pico 2 の共通のピン配置図です。

Rasberry Pi Pico 2 の GPIO や各種ペリフェラル用の端子は、従来品と完全互換
引用:Raspberry Pi Pico Pinout For Raspberry Pi Pico 1 and Raspberry Pi Pico 2, https://www.raspberrypi.com/documentation/microcontrollers/pico-series.html

購入方法

現在は、スイッチサイエンス(9月3日~)、ケイエスワイ(9月2日~)で購入することができます。また、秋月電子通商も発売の準備中のようで、Rasberry Pi Pico 2 用のカテゴリが出来ていました。

スイッチサイエンスで購入した Rasberry Pi Pico 2

下記は、各販売店へのリンクです。価格は執筆時点のものです。1台だけの場合は、送料の安いスイッチサイエンスのほうが安いです。筆者はスイッチサイエンスから購入しました。

スイッチサイエンス(990円+送料200円):
https://www.switch-science.com/products/9809

ケイエスワイ(913円+送料550円)
https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/1094/

秋月電子通商(執筆時点で準備中):
https://akizukidenshi.com/catalog/r/rrp2350/

なお、パソコンとの接続に、Micro USB Type-B 端子付きのUSBケーブルが必要です。

開発環境 Thonny

開発環境 Thonny から MicroPythonのファームウェアをインストールできます。

後述の記事内に、Raspberry Pi Pico W用のインストール方法を書いていますが、Pico 2の場合は variant で「Raspberry Pi・Pico 2」を選択してください。

Pico 2では variant で「Raspberry Pi・Pico 2」を選択する

従来モデル Raspberry Pi Pico W の使い方を下記で説明していますので、参考にしてください。

by bokunimo.net

「Raspberry Pi Pico 2 の消費電流と Deepsleep 確認」への3件の返信

メリットが 私にはあまり関係ない感じです
pico wの方が自分には合ってるなあ

お世話になっています。コメントありがとうございます。ボクも通信での利用がメインなので、断然、Pico W です。ほぼ、Pico W 2 を手に入れるまでの練習用です。

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