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M5Camera専用バッテリ+Deep Sleepで長時間動作 第1章

M5Cameraと専用のバッテリ(M5Stack Battery Support Base 400mAh)を使って、バッテリ動作のワイヤレス・カメラを製作します。
ディープ・スリープ(Deep Sleep)を活用することで、バッテリ動作時間を約5倍まで伸ばすことが出来ます。

ACアダプタ不要のワイヤレス・カメラ。日没の時間帯に、ひと気のない場所で撮影した写真の一例

M5Camera

M5Cameraは、Wi-Fi搭載ESP32マイコンと2MピクセルJPEGカメラOV2640を内蔵したM5Stack社のワイヤレス・カメラです。Arduino IDEなどを使って、自作プログラムを書き込むことが出来ます。

M5camera専用バッテリ

背面(写真の下側)に専用バッテリを取り付けたときの様子

M5Camera専用のバッテリをM5Cameraの裏側に取り付けることで、電源のワイヤレス化が図れます。ただし、バッテリの接続にはハンダ付けが必要で、作業時にリチウム・ポリマ電池の電線をショートさせるとバッテリが破裂する恐れがあります。
※必ず保護メガネを着用し、似たような電線で十分に練習してからハンダ付けしてください。

M5Camera専用バッテリ M5Stack Battery Support Base 400mAh
出典:https://m5stack.com/products/m5stack-battery-base

Arduino IDE用スケッチ

プログラム(スケッチ)は、下記からダウンロードすることが出来ます。詳細については、GitHub上の説明書またはエレキジャックIoT No.3(CQ出版社)P.79~P91を参照してください。
(#define WIFI_SSIDとWIFI_PASSWDの設定が必要です。)

スケッチのダウンロード:
https://github.com/bokunimowakaru/m5camera/archive/master.zip

GitHub上の説明書:
https://github.com/bokunimowakaru/m5camera/blob/master/README.md

ディープ・スリープ・モードの設定

間欠動作を設定するには、#define SLEEP_P を設定します。約1分間隔(スリープ時間55秒)で動作させたい場合は、以下のように設定して下さい。

#define SLEEP_P 55*1000000ul

バッテリ持続時間

約10分間隔で動作させたときのバッテリ持続時間は、実測で19.5時間でした(10/09 12:45:59~10/10 08:18:50)、バッテリ容量(400mAh×3.7V)から逆算した平均消費電力は、約76mWでした。
ディープスリープを使用せずに、連続運転したときは4時間しか撮影できなかったので、約5倍の長時間撮影が出来ました。
また、30秒間隔で動作させた場合も実測12.8時間と、連続運転の約3倍の長時間撮影が出来ました。

動作間隔バッテリ持続時間撮影枚数平均消費電力
約 10 分19.5 時間117 枚76 mW
約 3 分18.4 時間368 枚80 mW
約 1 分17.8 時間1068 枚83 mW
約 30 秒12.8 時間1542 枚116 mW
連続運転4.0 時間485 枚366 mW
バッテリ持続時間は10分間隔の動作で19.5時間と短かったが、連続運転に比べると約5倍の長時間録画が出来た。連続運転時の撮影間隔は30秒

他の例として、超特急Web接続!ESPマイコン・プログラム全集(CQ出版社)のP.89~P.97の製作例では、単3アルカリ乾電池で1か月以上の動作が可能であることを考えると、かなり持続時間が短いと言えます。

この原因はカメラ・モジュールOV2640の電源をOFFに出来ない点にあると考えています。
M5Cameraのバッテリ制御には、IP5306のI2C対応品が用いられているので、本ICの制御で対応できるかもしれません(ディープスリープからの復帰が可能かどうかは未確認)。

なお、140mAhのバッテリを内蔵した新製品M5Camera X(3Mピクセル・JPEGカメラOV3660搭載)が登場しており、スタンバイ電流2μAに対応しています。

品名(略称)カメラ部バッテリ待機電流疑似SRAM
M5Camera2Mpx OV2640400mAh
(別売)
約20mA
(筆者実測)
4MB
M5Camera X3Mpx 0V3660140mAh2μA8MB
新製品M5Camera Xとの比較

by bokunimo.net


第2章は、こちらです。

「M5Camera専用バッテリ+Deep Sleepで長時間動作 第1章」への5件の返信

とても便利なスケッチを公開していただきありがとうございます。撮影した画像をFTPでなくgoogle driveに送ることができないかと思うのですが、そのようなスケッチを作成していただくことはできないでしょうか?

機能追加のアイデアを提案していただき、ありがとうございました。

Google Driveへの送信について、調べてみたところ、GitHub内でMypaceEngineさんが公開されているM5Camera用のプログラムがありました。当面は、下記を参考にしてみてはいかがでしょうか?
https://github.com/MypaceEngine/m5camera-arduino-googleDrive/blob/master/m5camera-arduino-googleDrive.ino

ボクの方でも検討してみますが、機能としてはFTPと似たもので、新たに出来ることが増えるわけではありません。なので、優先度としては高くない位置づけになってしまいます。
また、Google Driveではない別の似たサービスへの送信方法の記事を雑誌向けに執筆済みにつき、類似機能を追加するのであれば、単に写真を送る以上の展開(Google Apps Scriptを組み合わせるとか)も考えたいです。

[…] M5Camera専用バッテリ+Deep Sleepで長時間動作 第1章 M5Camera専用のバッテリをM5Cameraの裏側に取り付けることで、電源のワイヤレス化が図れる。プログラム(スケッチ)は、下記からダウンロードすることが出来るスケッチのダウンロード:https://github.com/bokunimowakaru/m5camera/archive/master.zip […]

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