ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ方式編 - HDMI端子とD端子

              (作成:2004年11月)
              (追記:2008年03月)      地デジTopへ戻る


ページ内リンク

  ・HDMI端子とD端子
  ・HDMI端子とは
  ・映像規格
  ・HDMI機器リンク
  ・アナログ出力禁止/規制
  ・プログレッシブハイビジョン
  ・HDMI 1.3a
  ・D端子の種類
  ・AACS
  ・DVI端子、HDCP対応DVI端子(DVI-I,DVI-D)、S/PDIF端子

HDMI端子とD端子

  HDMI端子やD端子は、レコーダー等のハイビジョン映像をテレビに映すため
  に使用する端子です。このうちのD端子はアナログ信号の為、
著作権保護
  課題があるためHDMI端子へ移行しました。
  すでにD端子へのハイビジョン映像出力は規制されており、D端子つきのテ
  レビでハイビジョンを楽しむには古いレコーダが必要です。

端子 アナ/デジ 音声信号 コンテンツ保護 将来性
D端子 ×アナログ ×映像のみ ×保護なし ×廃止
HDMI端子 ○デジタル ○映像+音声 ○HDCPによる保護 ○有

HDMI端子とは

  HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格は、主にレコーダーから
  デジタルの映像信号をテレビに伝送するための規格です。HDMI端子は、映像
  だけでなく、デジタル音声やデジタル制御信号も含まれているので、1本の
  ケーブルで、映像、音声、そしてテレビとレコーダー間での制御信号を伝送
  することが出来ます。映像信号は表示する信号そのものを暗号化したもので
  す。圧縮された映像では無いので非常に高速なデータ転送速度が必要で、最
  大データ転送速度は10Gbps(HDMI 1.3以降)です。

       HDMI端子の写真

  HDMI端子には、HDCP(High-Bandwidth Digital Content Protection)と呼ばれ
  るコピー制御機能が装備されています。接続された機器同士で認証し合って
  から、その機器間で取り決めた暗号によって映像を転送する方式です。
  認証できない不正な相手への伝送を防止できるとともに、正規の機器間での
  信号をケーブルを分岐て取り出したとしても暗号が解読出来ないので傍受す
  ることが出来ません。

HDMI

                    参考文献:
http://www.hdmi.org/

映像規格

  映像規格にはD1〜D5があり、D1〜D2がDVD相当の標準画質(SD)と呼ばれる
  画質で、D3以上が地上デジタル放送で使われているハイビジョン画質です。
  D端子だけでなくHDMI端子でも同様の映像規格で伝送されています。

ハイビジョン画質と標準画質
映像規格 呼称 略称 英語読み
D1〜D2 標準画質 SD Standard Definition
D3以上 ハイビジョン画質 HD High Definition
D5以上 フルハイビジョン画質 フルHD Full High Definition

                 参考:「方式編-液晶のスペック#
解像度

D端子映像規格
規格名 参考画質 最大有効画素 走査線 周波数 実画素
D1 通常のDVD(SD) 720× 480i 525i 29.97Hz 17万
D2 プログレッシブDVD 720× 480p 525p 59.94Hz 35万
D3 ハイビジョン(HD) 1920×1080i 1125i 29.97Hz 104万
(D4) (現在未使用) 1280× 720p 750p 59.94Hz 92万
D5 プログレッシブHD 1920×1080p 1125p 59.94Hz 207万

                 i=インターレース(interlace)飛越し走査
                 p=プログレッシブ(progressive)順次走査
                 実画素は60Hzプログレッシブ表示の換算値

  ハイビジョンの地上デジタル放送はD3で放送されていますが、解像度には
  D3の最大有効画素である1920×1080iの解像度と、1440×1080iの解像度の
  2種類が定義されていて、1440×1080iの低い解像度で放送されています。
  ただし、映像のアスペクト比(縦横比)は解像度に無関係に16:9と決められて
  います。例えば、1920×1080i表示のフルHD液晶では、1440×1080iの映像を
  横に引き伸ばして、16:9を維持するように表示してますので、映像の比率が
  正しく維持できるようになっています。
  また、インターレース方式と呼ばれる飛び越し走査により、およそ80万画素
  画素相当の映像でしか放送されていません。つまり、地上デジタル放送では
  100万画素くらいあれば十分な、画質が得られる計算になります。
  一方、BSデジタル放送は1920×1080iであったり、フルHD(フルスペック
  ハイビジョン)テレビには画像処理技術によって、放送の解像度を上回る映像
  を作り出す画像エンジンも搭載されています。このため、当然のことながら
  200万画素のフルHD(フルスペックハイビジョン)テレビの方が、鮮明に表示で
  きることに変わりはありません。

  「1080 HD」表示に関する御注意(追記:2008年3月)

  フルHDを表す「フルHD 1080」などのマークに似せた「1080 HD」表示が混乱
  を招いています。フルHD表示のテレビには「Full HD」「フルスペック」等
  「フル」が入っていますが、「1080 HD」に「フル」の文字がありませんので
  御注意ください。詳細は「
1080 HD表示に関する御注意」を御覧下さい。

アナログ出力禁止/規制

  古いアナログ入力(D端子)のテレビにBlu-rayディスクレコーダを接続して使
  用する場合は注意が必要です。
  一般的な市販のBlu-rayディスクを2014年1月以降に発売されるBDプレーヤ・
  レコーダで再生してもD端子から信号が出力されず、視聴することが出来なく
  なります。
(AACSによって著作権保護されていないソフトを除く)
  また、地上デジタル放送などを録画したBlu-rayディスクはハイビジョンでの
  出力が出来なくなり、画質が低下します。
(SD画質になります。)
  2011年1月以降に発売されたBDプレーヤ・レコーダについてはハイビジョンでの
  出力が出来なくなり、画質が低下します。
  ハイビジョンでのD端子出力が可能な機器は2006年12月〜2011年12月に発売され
  た機器のうちD端子を搭載した機種です。(保障はありません)

レコーダの発売日(目安)/機種 市販BDソフト*1 BD録画番組*2 HDD録画番組*3
2014年01月以降 × 禁止 △ SD画質 ○ HD画質
2011年01月〜2013年12月 △ SD画質 △ SD画質 ○ HD画質
2006年12月〜2011年12月 ○ HD画質 ○ HD画質 ○ HD画質
BD-HD100/DMR-E700BD/BDZ-S77 × 再生不可 × 条件あり*4 ○ HD画質
*1 AACSによって著作権保護されていないソフトを除く
*2 再生専用のBlu-rayプレーヤを除く
*3 HDD非搭載のBlu-rayプレーヤ・レコーダを除く
*4 BD RE 1.0に録画した番組はハイビジョンで再生可能

  HDMI端子の登場の背景は、ハイビジョンの市販ソフトにあります。
BD-ROM
  には、ハイビジョン画質で記録することが出来ますので、自宅で映画館並の
  映像が楽しめることになります。ところが、従来のD端子はアナログ信号で
  すので、このようなソフトが容易にコピーされてしまう懸念がありました。

  そこで、Blu-rayディスクのような「ハイビジョンの記録媒体」では、D端子
  へのハイビジョン出力に規制を加える仕組みが定められました。
  ソフトの製造元がハイビジョン出力をD端子にも行なうのか、HDMI端子
  のみに行なうのかを選択できるICTと呼ばれる仕組みがあります。
  ICTとはImage Constraint Tokenの略で、コンテンツ(ソフトや録画物)
  に設定される値です。ICT=0に設定されたソフトや番組を再生しようと
  すると、D端子にはD1相当の標準画質に劣化させて出力してしまいます。
  さらに2014年以降に発売される機器ではD端子への出力が出来なくなる予定
  です。

  2011年1月以降に発売されるBlu-rayディスクレコーダでは、放送を録画した
  Blu-rayディスクの再生についてもICTの設定に関わらず制限を受けるこ
  とになりました。ただし、HDDに録画した番組に関しては影響を受けません。
  また、2010年までに発売された各種レコーダで放送を録画したBlu-rayディ
  スクを同じレコーダで再生する場合についてもハイビジョン再生が可能です。
                          (修正:2011年2月6日)

  ただし、既にD端子を搭載した機器が普及しておりHDMI端子のみにしか
  ハイビジョン出力されないとなるとソフトの普及そのもに問題が生じます。
  そこで、当面の2011年まではD端子にもハイビジョン出力することになりま
  した。2011年以降はソフト製造元の判断でICTの設定によってD端子への
  出力を規制することが出来るようになります。

  また、標準画質の市販DVDソフトをハイビジョン相当の画質に変換して出
  力するアップコンバージョン機能を搭載した機種が登場しています。このよ
  うな機能は、HDMI端子に対してのみ実施され、D端子には標準画質で出力する
  ことで、高精細なアナログ出力が制限されています。
  なお、最新の液晶テレビAQUOSやプラズマテレビVIERA、ハイビジョンレコー
  ダDIGA、AQUOSハイビジョンレコーダの全機種でHDMIが搭載されており、アナ
  ログ出力が停止されても、ハイビジョンで番組を楽しめるようになっていま
  す。

    資料編 - 液晶テレビ製品情報 (液晶テレビAQUOSのHDMI対応状況)
    資料編 - プラズマテレビ   (プラズマテレビVIERAのHDMI対応状況)

プログレッシブハイビジョン(720p,1080p,D4,D5相当)

  地上デジタル放送は、D1の標準画質(SD)とD3のハイビジョン画質で
  放送されています。現在(2006年3月)はD4やD5映像は必要ありません。

  PLAYSTATION3やBlu-rayビデオではD5映像出力がサポートされますので、
  D5端子もしくはD5映像に対応したHDMI端子が必要になってきます。
  HDMI端子が搭載されていてもD4映像までしか対応していない場合や、
  パネルの解像度がフルHD(1080p)に対応していない場合があります。

  現時点(2006年03月)で、D5相当の映像に対応したいのであればHDMI
  付の
フルHD(フルスペックハイビジョン)液晶テレビを推奨します。

各種HDMI規格の比較表

規格名 内容 伝送レート 帯域 解像度 色深度
HDMI 1.0 2002年12月策定 4.95Gbps 165MHz 1080p
  ※
24bit
YCrCb
HDMI 1.1 DTS音声対応等
HDMI 1.2 PCモニター対応 24bit
YCrCb/RGB
HDMI 1.2a 機器リンク対応
HDMI 1.3 YCrCb/RGB/xvYCC 10.2Gbps 340MHz 48bit
HDMI 1.3a 機器リンク対応
HDMI 1.4 QFHD(4K2K)対応 1080p
4K2K
HDMI 1.4 HEC EthernetCH対応
HDMI 1.4 3D 3D対応
HDMI 1.4a 3D 放送用3D対応

         ※機種によっては1080pに対応していない場合があります。
         ※3次元映像については「方式編-
3D映像方式」を参照。

HDMI 1.4

  HDMI 1.4では、より高解像度な4K2K映像やネットワーク接続がサポートされ
  ます。また、3Dや、ARC(テレビからアンプへの音声出力)にも対応しました。
  4K2KとはQFHD(Quad Full High Definition)とも呼び、フルHD4枚分の解像
  度4096×2160等を示します。

    ・QFHD 4096×2160(30Hz)の追加
    ・QFHD 3840×2160(24Hz)の追加
    ・ネットワーク対応 HEC(HDMI Ethernet Channel)の追加
    ・TV→AVアップの音声対応 ARC(Audio Return Channel)の追加
    ・3D映像対応
    ・Micro HDMIコネクタ(Type D)と車載用(Type E)の追加

  HDMI 1.4 HEC HDMI Ethernet Channelとは

  HECはLANケーブルのEthernet信号をHDMIを使用して伝える機能です。例えば、
  インターネットに接続しているテレビとレコーダとをHDMIケーブルで接続す
  ることで、レコーダのLAN配線が不要になります。ただし、両方がHECに対応
  していなければなりません。もちろん、テレビは別途のLANでインターネット
  に接続しておかなければなりません。

  HDMI 1.4 ARC Audio Return Channelとは

  ARCはテレビからオーディオ信号を出力するための機能です。通常のHDMIは
  テレビに映像や音声信号を入力することが出来ますが、テレビから出力する
  機能はありません。ARCに対応したテレビではテレビの音声信号を出力する
  ことが出来るようになります。
  例えば、AVアンプとテレビをHDMIケーブルで接続することで、テレビの音声
  出力をアンプに入力することが出来るようになります。ただし、両方がARC
  に対応している必要があります。

  HDMI 1.4 Micro HDMIコネクタとは

  携帯電話などのモバイル機器向けの超小型のHDMIコネクタです。標準、Mini、
  に加えてMicro HDMIが追加されました。

    HDMI 標準コネクタ  Type A テレビ、BDレコーダ、デジタルチューナ
    HDMI Miniコネクタ  Type C ビデオカメラ
    HDMI Microコネクタ Type D 携帯電話、スマートフォン
    HDMI 車載用コネクタ Type E カーナビ、リアシート用モニタなど


HDMI 1.3

  HDMI 1.3では、48bit階調が対応となりました。
  HDMI 1.2の映像伝送は、24bit階調で1080p(D5相当)まででした。HDMI 1.2の
  映像の情報量は約3Gbpsとなり、Silicon Image社のTMDS技術を使ってHDMI
  の信号に変換して伝送していました。
           TMDS=Transition Minimized Differential Signaling

HDMIチップ

  HDMI 1.0〜1.2の最大データ転送レートは5Gbpsで、24bit階調までの映像が
  伝送できましたが、48bitの映像信号は約6Gbpsとなり、最大レートを超過し
  てしまうので伝送できませんでした。
  そこで、HDMI 1.3では、帯域を2倍の約10Gbpsにまで拡張したiTMDS技術を用
  いて48bit階調に対応しました。
  HDMI 1.0〜1.2と1.3ではHDMI端子の形状は同じであり、信号も相互に互換性
  をもっています。このため、出力側もしくは入力側のいづれかが現行のHDMI
  であったとしても、問題なく現行規格の(1080pの24bitまで)の表示が可能で
  すが、HDMI 1.3以降に対応していないAVアンプを経由した場合は、解像度の
  対応情報が正しく伝送できない場合がありますので注意が必要です。

  色数の増加によって映像の再現力が向上しますが、通常の映像では、あまり
  違いが感じられませんし、地上デジタル放送は24bitで送られているため、
  従来のHDMI 1.2でも何ら支障はありません。
  色数の差が分かるのは、動画像よりも静止画やCG画像の場合です。どちら
  かと言えば、PCやゲーム機といった用途に向けられているように思います。
  しかも、HDMI 1.3では色域情報を伝送することが出来るので、原色に近い色
  を再現することも出来るようになります。ネットショッピング用の端末など、
  色の再現性が重要な分野で使われるものと思います。

  また、HDMI 1.3ではHDMI miniコネクタと呼ばれるビデオカメラ用の規格も
  策定されており、2007年以降、対応製品も登場してきています。

HDMI mini
HDMIコネクタ(左)とHDMIミニコネクタ(右)
(SONY DLC-HDM15)

  しかし、携帯電話のような小型機器に搭載するには、コネクタが大きい点と
  映像出力の専用コネクタである点で不利な状況です。次世代HDMIにおいても
  さらに小型のコネクタ(HDMI microコネクタ)が登場することとが考えられま
  すが、そもそも映像出力専用のコネクタを追加することが大きな障壁です。
  もちろん、映像用途以外にも展開が考えられますが、この場合は広く普及し
  ているUSBと競合してしまいます。
  HDMIは、AV機器やビデオカメラといった映像機器専用の分野では主流になる
  と思いますが、携帯電話などの汎用性のある小型機器に展開するのは難しい
  でしょう。

HDMI機器リンク(HDMIコントロール,HDMI-CEC:Consumer Electronics Control)

  VIERAリンク(Panasonic)、AQUOSファミリンク(SHARP)、BRAVIAリンク(SONY)
  といったHDMIケーブルを使って機器間の制御を行う機器リンク機能について
  簡単に説明します。
  これらの機器リンク機能は、各社ともにHDMI-CECと呼ばれる規格が使われて
  います。例えば、AQUOSファミリンクを使って、PanasonicのDIGAを操作する
  ことも、ある程度は可能です。しかし、各社の独自機能や独自制御の部分は
  制御が出来なかったり、他社機を意図的に制御出来ないように設計されてい
  たりする場合もあるので、同一メーカーの機器の間で使う方が、より便利に
  使うことが出来るということに変わりはありません。
  また、AQUOSファミリンクはi.Link接続やIrSS(赤外線)接続も含めている他、
  VIERAリンクでは SDカードを差し替えることまでも含めているなど、各社の
  様々な製品との相互接続性や、相互互換性を示す用語となっています。勿論、
  i.Link、IrSS、SD、
SDHCカードの何れもが標準化された規格であり、元々は
  メーカー間で互換性のあるべきものですが、他社機器との互換性については
  相性や整合性の問題で不具合が発生する場合があるので、このような形になっ
  てきたとも言えるでしょう。

AQUOSファミリンク+VIERA Link
AQUOSファミリンク→VIERA Link の例

  上図は、液晶テレビAQUOSを使い、VIERA Link対応のDIGAレコーダーを制御
  している例です。液晶テレビAQUOSの「ファミリンク」は、Family Linkの略
  だけあって、他社機器とのリンクに優れています。VIERA Link対応のDIGAの
  再生や録画、上図のような簡単な再生制御、AQUOSの電源OFFと連動した電源
  制御といった制御がファミリモコンから行え、また、DIGA側の操作によって
  AQUOSの入力が自動で切り替わるなどの連携機能が行えます。
  比較的、新しいDIGA(VIERAリンク Ver.2以降)では、AQUOSから録画リストや
  番組表の表示も可能になっています。
  但し、「戻る」と「終了」ボタンが逆になっている等の不整合もあります。
  完全な互換性はないものの、何が出来ないのかを知っておけば、実用的にも
  十分に使える機能が多くなってきています。

  御注意
  他社間のHDMI機器リンクは、当方だけでなくメーカーでも動作保証されてい
  ません。例えば、VIERAリンクの古いバージョンの機種DMR-BW200では、AQUOS
  からの録画リスト表示やEPG表示のコマンドが送られない問題を確認して
  います。(一度、表示すれば、以降は再生後に録画リストに戻るので支障なく
  使えます。)
  このような不具合や不整合がありますので、当サイトに記載の情報も含めて、
  全て、自己責任で御利用ください。



D端子の種類と注意点

  D端子はアナログのコンポーネント端子を1本にまとめて、映像の種類を
  情報として送れるようにした映像端子です。

D端子ケーブル
D端子ケーブル(左)と、コンポーネント端子ケーブル(右)

  注意しなければならないのは、D端子だからといってハイビジョン対応と
  は限らない点です。Dに続いて、数字が示されていて、D3以上でなけれ
  ば、ハイビジョンに対応できません。また、接続する2つの機器の両方が
  対応していなければなりません。
  例えば、ハイビジョンレコーダーがD3出力に対応していても、テレビが
  D2入力までしか対応していなければ、ハイビジョンで視ることは出来ま
  せん。また、DVDの画質はD2までなので、D3入力テレビに繋いでも
  ハイビジョン画質にはなりません。

  現在は、D4端子つきのテレビやレコーダーが多いですが、地上デジタル
  放送は主にD3で放送されています。D4端子はD3の規格を含んでいる
  ので、D3端子でもD4端子でも実用上に違いはありません。もちろん、
  D3端子とD4端子を接続しても、問題ありません。
  しかし、D1とD2にしか対応していないテレビにD3出力やD4出力の
  チューナーやレコーダーを接続する場合は、注意が必要です。D4端子は
  D3を含んでいますが、必ずしも、D1やD2が含まれているとは限らな
  からです。ほとんどのD3端子は、D1、D2、D3に対応していますが、
  稀に、製品の詳細な仕様表に「D3固定」と書かれていてD1やD2の表記
  が無い場合は、D1とD2には対応していません。
  (「D1/D2/D3」や「D1/D2/D3/D4」などと表示されていれば問題ありません)

搭載端子名 映像規格
D1
(480i)
D2
(480p)
D3
(1080i)
D4
(720p)
D5
(1080p)
D1端子 × × × ×
D2端子 × × ×
D3端子 × ×
D4端子 ×
D5端子

                  △:必ずしも対応しているとは限らない
             (一例としてD3端子がD1出力に対応しているとは限らない)

AACS

  AACS(Advanced Access Content System)も著作権保護の仕組みです。これは
  AV機器メーカ、PC機器メーカ、映画業界の3者が集まって規格化したも
  のであり、主に
Blu-rayのハイビジョン市販ソフト用と放送録画用ディスクの
  コンテンツ保護制御規格です。(ビデオカメラで撮影したコンテンツは除く)

AACS

  AACSでは、ハイビジョンを取り扱うシステムとして、著作権保護に対する技
  術的な要求仕様をまとめております。具体的には、以下の3つの技術的条件
  があり、HDMIやBDMV(Blu-rayの市販用BD-Videoで採用されている記録方式)が
  以下の要素を満たし、AACS規格に対応しています。

        @デジタル信号である
        A暗号化されていること
        B機器間で認証を実施すること

  つまり、これらの条件を満たしている、HDMI(HDCP対応)や市販用BD-Videoを
  使用した再生やコピー制限を実施することが、AACSの役割です。

                    参考文献:http://www.aacsla.jp/

  アナログ出力への制限は、ICT(Image Constraint Token)機能によって実現
  されます。ICT制御によってHDMI端子のみに出力が許されている場合は
  D端子へはハイビジョン画質D3以上では出力できなくなっており、標準画質
  のD1での出力になってしまいます。
  前述のとおり、このようなソフトは2011年以降に発売される予定です。さらに
  2014年以降にはAACS対応機器ではアナログ出力を全廃する予定になってい
  ます。但し、アナログ出力全廃に関する具体的な運用形態は「未決定」です。

                     参考文献:日経エレクトロニクス


補足説明 レコーダおよびテレビのHDMI端子の必要性と買い方

  本節は、2005年現在の古い情報です。 (2005年11月13日)

  補足1:HDMI無しレコーダ
  長期的にはテレビ放送もD端子出力されなくなる可能性があります。しかし、
  テレビ放送はCM収入で経営している点で、映画館や市販のDVDソフトを
  主な収入源としている映画とは方針が異なり、当面はD端子出力を止めない
  と思われます。地上デジタル放送がD端子出力されなくなる頃には、レコー
  ダに新しい付加機能が搭載されてきて、値段も、現在(2005年)の何分の一に
  もなっていると思われます。新機種の買い足しの時期、もしくは、耐久年数
  を過ぎてしまって新機種への買い替えや買い足しの時期になっている可能性
  もあるでしょう。以上から、HDMI無しであっても支障ないでしょう。

  補足2:HDMI無し液晶テレビ
  さらに、液晶テレビは、年々、大型化しておりハイビジョン放送が定着する
  頃には今のサイズで満足できなくなるでしょう。現状、HDMI端子つきテレビ
  が安心なことに相違はありませんが、現時点では何のメリットも無い上、
  HDMI端子つきテレビは、まだまだ高価です。
  現在、お使いのテレビがブラウン管の28インチや32インチ以下であれば、
  何年か後に37インチや45インチを買い足すことを前提に、32インチ程
  度の液晶テレビを買うのも良いのではないでしょうか。
  以下の表を御覧いただくと、HDMI無しの32インチだと、HDMI付の
  37インチの約半額で買えます。つまり、今、40万円を出して37インチ
  を買うよりも、とりあえず、20万円の32インチを買っておいて、37が
  20万円を切ったときに買い足すといった具合です。年々、価格が下がって
  ゆく液晶テレビならではの買い方だと思いませんか?

     32インチ(×HDMI無) 20万円前後 AQUOS LC-32AD5
     
37インチ(×HDMI無) 25万円前後 AQUOS LC-37AD5

     32インチ(○HDMI
) 30万円前後 AQUOS LC-32GD6
     
37インチ(○HDMI) 40万円前後 AQUOS LC-37GD6


DVI端子、HDCP対応DVI端子

  DVI端子はデジタル映像端子の一つです。主にパソコン用で使用されていま
  した。最近のDVI端子には、コピー保護技術であるHDCPに対応しているもの
  があり、DVI端子とHDMI端子を変換するケーブルによって、HDMIと同等の映
  像を伝送できる場合があります。例えば、HDCP対応DVI入力をもつテレビの
  DVI端子に、DVI-HDMI変換ケーブルを使用すれば、Blu-rayレコーダーなどの
  HDMI出力を表示することが出来ます。例えば、AQUOS等のテレビのHDMI端子
  が不足した時に、DVI端子をHDMI端子の代用として使用することが可能です。
  テレビ内部にはHDMIチップとHDMI切り替えチップが入っており、HDMI端子も
  DVI端子も、同じHDMIチップに接続されていて、同じ認証システムが使われ
  ているので、端子形状以外のハードウェアには何ら違いは無いのです。
  しかし、パソコン用モニター等に搭載されているHDMI端子やHDCPに対応した
  DVI端子では、テレビと同じチップや認証システムでは無いので、接続する
  レコーダー等によっては相互認証が出来ずに表示できない場合があります。

DVI-I端子

  DVI端子は映像専用の端子なので、音声を伝送することが出来ません。
  テレビのDVI入力には、別途、アナログ音声入力がありますので、そちらに
  音声ケーブルを接続する必要があります。
  下表はHDMI端子とDVI端子の種類とピン数を示したものです。

HDMI、DVI端子の種類とピン数
名称 デジ
タル
映像
デジ
タル
音声
アナ
ログ
映像
総端子数 デジタル
ピン数
アナログ
ピン数
HDMI 19pin 19pin
DVI-I(DL) 29pin 24pin 5pin
DVI-I 23pin 18pin 5pin
DVI-D(DL) 24pin(25pin) 24pin
DVI-D 18pin(19pin) 18pin

  DVIのデジタル端子には18ピンのタイプと将来の高解像度ディスプレー用の
  24ピンタイプ(DLタイプ)があります。HDMI端子はDLタイプに対応していませ
  んが、出力機器側が24ピンであっても、18ピンのケーブルが接続できます。
  また、DVI-Dの24ピンは25ピンと呼ばれることや、18ピンが19ピンと呼ばれ
  ることがあります。これは、アナログ映像用の端子にGNDピンが配置されて
  いて、このピンをカウントするかどうかの違いですので、どちらを使用して
  も変わりません。

  さらに、テレビのHDMI入力端子にパソコンのDVI出力を接続できる場合もあ
  ります。多くのAQUOS等のテレビにはDVI端子が装備されているので、通常は
  このような接続は不要ですが、DVI端子の無い機種にDVI端子を接続するのに
  有効な方法です。但し、この場合は音声が出力できない場合があります。

  DVI端子には、DVI-I端子と、DVI-D端子の2種類があります。デジタル信号
  は、どちらでも変わりません。しかし、アナログRGB出力のパソコンを、
  DVI入力端子つきのテレビに接続する場合は、テレビ側がDVI-I入力端子であ
  る必要があります。下表は接続するケーブルの種類をまとめたものです。

HDMI、DVI、RGBの相互接続ケーブル
出力(レコ-ダ/PC) 入力(テレビ) 接続可否 接続ケーブル
HDMI HDMI ○(デジタル) HDMIケーブル
HDMI DVI-I(HDCP対応) ○(デジタル) HDMI-DVI(D)ケーブル
HDMI DVI-D(HDCP対応) ○(デジタル) HDMI-DVI(D)ケーブル
HDMI RGB ×
DVI-I(HDCP対応) HDMI ○(デジタル) HDMI-DVI(D)ケーブル
DVI-I DVI ○(デジタル) DVI(D)ケーブル
DVI-I RGB ○(アナログ) DVI(I)-RGBケーブル
DVI-D(HDCP対応) HDMI ○(デジタル) HDMI-DVI(D)ケーブル
DVI-D DVI ○(デジタル) DVI(D)ケーブル
DVI-D RGB ×
RGB HDMI ×
RGB DVI-I ○(アナログ) DVI(I)-RGBケーブル
RGB DVI-D ×
RGB RGB ○(アナログ) RGBケーブル
        注意:HDMI、DVI間で認証が出来ない場合は映像が出ません。

  なお、
パソコン用チューナーボードを使用する場合も、HDCP対応DVI端子か
  HDMI端子を搭載したテレビもしくはPCモニターが必要です。


S/PDIF端子


共立電子 SK10 S/PDIF Digital Audio IF Adapter
共立電子 SK10 S/PDIF Digital Audio IF Adapter

  デジタルの音声端子として角型の光デジタル端子や同軸ピン端子が装備され
  ています。この端子を
S/PDIF端子と呼んでいます。現在は、SCMSという著作
  権保護技術が付加されており、例えば、CDからMDにコピーした後に、そのMD
  から他のMDへはコピーは出来ません。
  しかし、SCMSは暗号化や機器認証といった保護技術が搭載されていないため
  コピー制御を書き換えたり無視したりすることで、容易に不正コピーするこ
  とが可能でした。
  つまり、SCMSは現在となっては不完全なコピー制御技術であり、HDMI端子に
  含まれた音声信号は、S/PDIF端子への音声出力を規制する方向です。
  つまり、5.1chシステムを組んでいる場合は、AVアンプをHDMI接続の機種に
  買い換えなければ、ならない可能性があります。この場合は、現時点では、
  HDMI 1.3以上のAVアンプを推奨します。
  S/PDIFに関する詳しい情報は「方式編-デジタルオーディオ」を参照してく
  ださい。

アナログ音声出力の禁止/規制

  そもそも、SCMSが登場した当時は「アナログのコピーは劣化する」というこ
  とで、デジタル信号のみに簡易的な著作権保護を講じたものでした。当時の
  状況では、アナログでコピーされたものは、次も、アナログでコピーされる
  可能性が高く、次第に劣化すると考えられていました。さらに、アナログの
  レコードには著作権保護が無かったことを考えても、適切な方法でした。
  しかし、現在では、アナログ信号を誰でも手軽にデジタルにコンバートでき
  ます。しかも、一度、デジタル化してしまえば、以降は劣化無く大勢に配布
  することも、誰にでも簡単に出来る時代になってきました。このような技術
  の進歩に伴う時代の変化によって、暗号化が講じにくいアナログ信号は、む
  しろ危険な存在であるという認識に変化しており、映像、音声ともに出力を
  廃止方向に進んでいます。

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