ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ方式編

ダビング10(コピー制御)

作成:2004年11月
更新:2008年06月
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 当ページでは、不正コピーを防止するためのコピー保護技術であるデジタル放送のダビング10方式を中心に説明しています。
※違法コピーの具体的な方法(手段)については、触れておりません。


ダビング10について

 2008年07月04日より、コピーワンス規制を緩和するための新しいコピー制御方式「ダビング10」が導入されました。それまでの方式では複数のコピーが出来ませんでしたが、ダビング10によって9回までのコピーが出来るようになりました。

 HDD(ハードディスク)に録画した地上デジタル放送の番組は、Blu-rayディスクやCPRM対応の表示のあるDVDメディアにコピーできます。
 HDDからのコピー回数は9回までで、10回目のダビング後にHDDから消去されます。(合計10回までのダビングが出来る)
 ただし、一度、コピーしたディスクや、ディスクに直接録画した番組、有料放送などの
コピーワンス方式の番組はコピーが出来ません。


HDDからBlu-rayへのコピー(ダビング10)

  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓
  ┃放送○┃──→┃HDDI┃──→┃Bluray△┃─→ ×コピー不可
  ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛┃┓
            |  (9回まで)┗━━━━┛┃
            ↓        ┗━━━━┛
     (10回目のダビング後に自動消去) 
HDDからDVDへのコピー(ダビング10)
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃HDDI┃──→┃DVD△┃─→ ×コピー不可   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛┃┓             |  (9回まで)┗━━━━┛┃             ↓        ┗━━━━┛      (10回目のダビング後に自動消去) 

 また、ダビング10の運用開始前に録画した番組や、2006年以前に発売された レコーダーPC用チューナーワンセグチューナー等の中にはダビング10 に対応していない機器がありますので、中古品を購入する場合は注意が必要 です。

■ 2007年末以降に発売されたHDD搭載レコーダーはダビング10対応です。
                        (国内主要メーカー品)

2007年以前の対応機種は、下記を参照してください。(2008年6月23日)
  ○ Panasonic ダビング10対応レコーダー (2007年12月3日)
  ○ SHARP ダビング10対応レコーダー (2007年12月21日)
  ○ SONY ダビング10対応レコーダー (2008年1月29日)

HDDから他のHDDへのダビング(ダビング10)

 i.LinkやDLNAなどのムーブに対応したレコーダーのHDDに録画した番組は 別のムーブ対応HDD等にコピーすることも可能です。但し、コピーされた 番組の3世代目のコピーは出来ません。
 ムーブに対応したHDD等へのムーブ回数には制限がありません。詳しくは 当ページ内の「コピーとムーブの違い」を参照くださ い。


HDDから他のHDDへのコピー(ダビング10)
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃HDDI┃──→┃HDD△┃─→ ×コピー不可   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛┃┓             |  (9回まで)┗━━━━┛┃             ↓        ┗━━━━┛      (10回目のダビング後に自動消去) 
HDDから3世代目のHDDへのムーブ(ダビング10)
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓3世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃HDDI┃──→┃HDD△┃──→┃HDD△┃   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛ムーブ┗━━━━┛             |  (9回まで)┗━━━━┛┃ →┗━━━━             ↓        ┗━━━━┛  →┗━━━      (10回目のダビング後に自動消去)   ↓                    (3世代目のムーブ後に自動消去)

 さらに、一部の機種ではBlu-rayからのムーブ(書き戻し)に対応しています。
 詳しくは、「Blu-rayからHDDへのムーブ」を参照ください。

HDDから他のアナログ出力でのダビング(ダビング10)

 アナログ出力(S端子出力やビデオ出力)を使ったダビングも出来ます。但し、 S端子などは標準画質(画質はハイビジョン画質では無い)なので、解像度が 劣化してしまいます。


HDDからアナログ出力でのコピー(ダビング10)
       デジタル     アナログ     デジタル   ┏━━━┓1世代┏━━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃HDDI┃──→┃HDD○┃──→┃Bluray△┃   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛ムーブ┗━━━━┛                (無制限)┗━━━━┛┃ →┗━━━━                      ┗━━━━┛  →┗━━━

Blu-rayディスク(またはDVD)への直接録画(コピー禁止放送以外)

 Blu-rayディスクやCPRM対応DVDメディアに、コピーワンス放送を、直接、 録画することが可能です。しかし、直接録画したDVDからのムーブはできま せん。また、HDD搭載のBlu-rayレコーダーやDVDレコーダーの中には、 ディスクへの直接録画が出来ない機種があります。操作面で直接録画の方が 分かりやすい方はHDDを搭載していない機種の方が分かりやすいでしょう。


Blu-rayディスクへの録画
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃Bluray△┃─→ ×コピー不可   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛
CPRM対応DVDメディアへの録画
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃DVD△┃─→ ×コピー不可   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛

VHSテープへのアナログ録画(コピー禁止放送以外)

 地上デジタル放送をVHSテープ等にアナログ方式で録画した場合はコピー 制限が無く、個人利用の範囲で無制限にコピーが可能です。意外と知られて いないコピー方法なのですが、これは、従来のアナログ放送テレビでの使い 勝手を継承するために配慮されたものです。自分でダビング編集したVHS テープを、更にダビングしてバックアップを作成することが可能です。


VHSテープへの直接録画
       アナログ     アナログ     アナログ   ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓3世代   ┃放送○┃──→┃VHS◎┃──→┃VHS◎┃──→ … 無制限   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛コピー                     ┗━━━━┛┃                      ┗━━━━┛無制限
VHSテープへのコピー
       デジタル     アナログ     アナログ   ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓3世代   ┃放送○┃──→┃HDD◎┃──→┃VHS◎┃──→ … 無制限   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛コピー┗━━━━┛コピー                     ┗━━━━┛┃                      ┗━━━━┛無制限

ダビング10以外のコピー制御

 BS放送の一部やCS放送の一部の有料放送などでは、ダビング10に対応し ない放送局や番組があります。放送局はコピー制御信号を用いて、4種類の コピー制御を行うことが出来ます。

コピー制御の種類
コピー制御 内容 用途
◎ コピーフリー 録画(コピー)が出来る 2004年4月以降は未使用
I ダビング10 9回までのコピーが出来る NHK、民放各局(6月以降)
○ コピーワンス 1回だけ録画が出来る 有料放送など(6月以降)
× コピー禁止 録画(コピー)が出来ない 一部の有料放送(PPV等)
         ※録画やコピーは個人や家庭での利用に限定されています。

 このうち「コピーワンス」は、コピーワンス放送と呼ばれているもので、 録画した番組をコピーすることが出来ません。(1回だけ録画可能)
 このため、HDDに録画したコピーワンス番組を、Blu-rayディスクやCPRM 対応DVDメディアにダビングすると、ムーブとなり、ムーブしたHDD側の 番組が消去されます。


HDDからBlu-rayへのムーブ(コピーワンス)
  ┏━━━┓1世代┏━━━━┓2世代┏━━━━┓   ┃放送○┃──→┃HDD△┃──→┃Bluray△┃─→ ×コピー不可   ┗━━━┛コピー┗━━━━┛ムーブ┗━━━━┛             ↓        (ムーブ後に自動消去) 

ダビング10対応予定機種(2007年末までに発売された機種)

 2008年以降に主要メーカーから発売されるHDDを搭載したレコーダーは、 全て、ダビング10に対応される予定です。また、2007年末までの古い機種の 対応状況は下記を参照ください。

Panasonic

SHARP

SONY


 現在、発売中の最新レコーダーは「資料編-レコーダー」を参照ください。


以下は、ダビング10、コピーワンスを実現するための、より詳しい情報です。


デジタルコピー制御信号

 2004年4月より、デジタル放送(BS,地上デジタル)に、コピー制御信号が付加 されていました。デジタル信号は、コピーをしても画質が劣化しないため、 著作権保護の観点から導入されたものです。

 デジタル放送の番組には、コピーフリー、コピーワンス、ネバーコピーのい づれかのコピー制御情報CCI(Copy Control Information)が付加されており、 このコピー制御信号に対応した機器や媒体(ディスク等)では、以下のような 録画、コピー(複製)、ムーブ(移動)の制御が行なわれます。

著作権保護のためのコピー制限内容
制御情報CCI 制限内容
◎ コピーフリー 録画(コピー)が自由に出来る(※)
○ コピーワンス 対応機器に対して、1回だけ、録画が出来る(※)
△ ノーモアコピー録画後、再コピーが出来ない状態(ムーブは可能)
× コピーネバー 録画(コピー)が、一切、出来ない
          ※但し、法律で個人や家庭での利用に限定されています。

デジタルコピーワンス(COG : Copy one generation)

 コピーワンスは、1回しか録画が出来ないようにコピーを制限しています。

  コピーフリー放送(現在は放送されていません)

コピーフリー

    コピーワンス放送(現在の有料放送などです)

コピーワンス

  HDDからのダビングは、コピーではなく「ムーブ(移動)」となります。

CCI制御

 コピーワンス放送は、CCIがコピーワンス状態となって放送されています。
この状態の放送をHDDに録画するとノーモアコピー状態となり、これ以上、 コピーができなくなります。
 ムーブは、同じレコーダーの内蔵HDDからDVDへや、
DTCP対応機器間で 実施できます。CCIがノーモアコピー状態である番組はムーブ後に自動的に 元の番組を消去することで、コンテンツを保護しています。又、ムーブ後も CCIはノーモアコピー状態を維持し続けます。コピーワンス状態のCCIを受け た場合は、ノーモアコピー状態に変更します。

 なお、2008年7月より、(有料放送を除く)多くの放送がダビング10に移行し ました。ダビング10では、上記のCCIに加えてダビング回数をカウントする 仕組みが盛り込まれています。HDDに録画したダビング10に対応番組は、 ダビング回数が9回になるまで、HDD内ではコピーワンス状態で保持し、 9回目のダビング後に、ノーモアコピー状態となります。
 つまり、録画したレコーダーのHDDから他のHDDやディスクへのコピー が9回まで可能となり、この間にコピーしたコピー先の番組はコピーワンス 番組を録画した場合と同じノーモアコピー状態となって、それ以上のコピー を防止しています。また、9回のダビング後は、元のHDD内の番組もノー モアコピーとなりますので、ムーブしかできなくなります。


コピーとムーブの違い

 デジタル放送の番組のダビングには、「コピー」と「ムーブ」があります。
 「コピー」はダビング元からダビング先に番組を複製することが出来ますが、 「ムーブ」はダビング元の番組が消去されるので、番組の移動となります。

2種類のダビング方法(コピーとムーブの違い)
ダビング方法 元の番組 動作
コピー ○ 残る ダビング先に番組を複製する
ムーブ × 消去 ダビング先に番組を移動する

 このように、「ムーブ」の場合は一つの番組をダビングしても同じ番組が 増えないようになっています。

ムーブ(移動)機能

 コピーワンスの番組をダビングすると、下図のように、HDDから自動的に 消去されます。ダビング後は、放送から録画した映像がHDDに残らないの で、同じ番組から複数のコピーが作成できません。

  CPRM対応DVDへのムーブ(Blu-rayディスクも同様)


CPRM対応DVD

 ここで、2世代目のムーブ後に消去する必要がありますので、ムーブに対応 するには、少なくとも、以下の条件が必要になります。


 1)以下のいづれかの機器
  ・ムーブに対応していHDD内蔵Blu-rayレコーダ)
  ・ムーブに対応しているHDD内蔵DVDレコーダ
  ・互いにムーブに対応しているDTCP対応iLink(MPEG-TS)搭載機(2機)
  ・互いにムーブに対応しているDRM対応DLNA機器など
 2)以下のいづれかのメディア(記録媒体)   ・Blu-rayディスク   ・CPRM対応DVDディスク   ・D−VHSテープ(DTCP対応)   ・Rec-POTなどのムーブ対応 AV HDD

 HDD内蔵Blu-rayレコーダやDVDレコーダは、ほぼ全ての機種がHDDから Blu-rayディスク(DVDディスク)へのムーブに対応しています。(後述) DTCP(Digital Transmission Content Protection)とは、著作権保護しつつ 2つの機器(例えば、HDD同士)で映像を転送する方式です。コピーワンスで 保護された映像の転送が終わると、元の映像を自動消去する「ムーブ機能」 を実現しています。もちろん、保護された映像をDTCP非対応の機器には転送 しないようにもなっています。

i.Linkムーブ

 レコーダをi.Linkケーブルで接続して、レコーダ間でムーブを行う方法があ ります。ムーブ元のレコーダーはi.Linkムーブの出力に対応している必要が あり、ムーブを受けるレコーダーはムーブ入力に対応している必要がありま す。さらに、相互でムーブの相性があるので相互接続性を確認しておく必要 があります。



      ┏━━━━━━━┓i.Link┏━━━━━━━━┓
      ┃DVDレコーダ┃──→┃Blu-rayレコーダ ┃
      ┗━━━━━━━┛   ┗━━━━━━━━┛
           ムーブ出力 ムーブ入力

 i.Linkムーブの課題は、稀にムーブの失敗が発生することと、ムーブ開始時 に番組の先頭2秒から3秒がムーブできないことです。
 特に問題なのは、ムーブの受け側に不具合が発生した場合です。ムーブ元の レコーダーには番組が残っていない場合があり、番組を消失してしまうこと になります。
 番組の先頭がムーブできないのは、映像の含まれた信号と同期をとる時間が 必要になるからで、i.Linkの一般的な仕様です。ムーブが必要な番組を録画 する場合は、番組の先頭を5秒くらい多めに残しておくと良いでしょう。


Wデジタルチューナ搭載機での同時録画

 デジタルチューナーを2つ搭載したWデジタルチューナ搭載機では、同じ番 組を重複して予約することで同じ番組を2つ録画することが出来ます。 メーカーや機種によりますが、通常の録画予約と同様に裏録画予約を設定後、 同じ番組を表録画用で設定すれば良いのです。ただし、2番組の予約録画の 実行中は番組の編集が出来ないなどの制限がある場合があります。(録画が 終われば、編集できるようになります。)

アナログ放送用DVDレコーダーでの同時録画

 前項のとおり、地上デジタルチューナーを搭載したHDD内蔵DVDレコー ダ(ハイビジョンレコーダー)では、HDDに録画したデジタル放送をDVD にムーブすると、ムーブした番組はHDDから消去されてしまいます。
 しかも、HDD内にはハイビジョン画質で録画してもDVDにムーブすると 従来の標準画質に劣化してしまいます。
 そこで、HDD内のハイビジョン画質の録画を残した状態で、DVDも作成 する方法を紹介します。

デジタル放送の同時録画
上:ハイビジョンレコーダ(デジタル放送の予約録画)
下:従来方式レコーダ  (外部入力L1の予約録画)

デジタル放送の同時録画

 上図は、ハイビジョンレコーダーをアナログ放送レコーダーにS端子で接続 した図です。もちろん、音声端子も接続します。
ハイビジョンレコーダーでは、内蔵HDDに録画予約をします。また、アナ ログレコーダーでは、同じ時間に外部入力の映像を録画予約します。アナロ グ放送レコーダでの録画予約にEPG(電子番組表)を使った場合は、ハイビ ジョンレコーダーで予約した番組と同じ番組を選択して、録画予約を決定す る前に、録画するチャンネルを「L1」に変更します。
 つまり、ハイビジョンレコーダーの予約の実行中にS端子から出力される 映像をアナログ放送レコーダーで録画するという方法です。


デジタル放送の同時録画

 アナログ放送レコーダーに録画された映像はコピーワンスの1世代目のコピー と認識されるので、HDDからDVDへのムーブが可能です。
 さらに、i.Linkからも映像が出力されている機種があります。i.Linkからの 出力を同時に録画すれば、ハイビジョンのまま同じ番組2本を録画すること ができるのです。
 但し、予約実行中に映像が出力されない機種では録画が出来ませんし、また、 アナログ放送レコーダーが、CPRMおよびHDDからDVDへのムーブに対応 している必要があります。
 写真のように、ハイビジョンレコーダーはSHARP、アナログ放送レコーダーは PanasonicのHDD内蔵DVDレコーダーを推奨します。(機種にもよります)
 なお、今後の衛星アップデートによって同時録画が制限された場合があった としても、当方は責任を負いません。(現在は、緩和方向で検討されている)

DVDからはムーブが出来ない

 DVDやD-VHS等の記録媒体からの「さらなるムーブ」は、出来ないよう になっています。
Blu-rayは一部で可能です
 元来、DVDは不正な手段でコピーしても正しく再生出来ないような著作権 保護がかけられており、不正コピーされたDVDは15秒ほどで検出されて、 再生できなくなっています。
 しかし、この方法は完璧では無く、DVDからのムーブを許可してしまうと、 特殊な方法を用いることで、無数のコピー作成が可能になっています。
 現状は、このような抜け道がある限り、DVDからはムーブすることを禁止 せざる得ない状況です。

Blu-rayからHDDへのムーブバック(書き戻し)

 Panasonic製のDMR-BWT3100、DMR-BWT2100、DMR-BWT1100などの機種では、 Blu-rayに記録した番組をHDDに書き戻すことが可能です。
 書き戻しはムーブとなりますので、HDDに書き戻しを行うと元のBlu-rayディ スクに記録されていた番組は消去されてしまいます。
 対象となる番組はダビング10でコピーした番組、コピーワンスでムーブした番組のほか、
アクトビラやTSUTAYA TVからダウンロードした番組も対象とのことです。
 BD-RE、BD-Rともに書き戻しに対応していますが、BD-Rはファイナライズを していないことが条件になります。ファイナライズとは、他社のBDレコーダ やプレーやで再生するためにディスクの書き込みを不可にしてしまう処理で す。
 なお、BD-REからHDDに書き戻しを行うと、消去された番組の分だけ、BD-RE の空き容量が増大しますが、BD-RからHDDに書き戻しを行った場合は空き容量 が増えません。実際には番組データが消去されているのではなく、番組デー タのタイトルが消えて読み取りが出来ない状態になっているのです。
        (暗号化されているので復活させることは不可能です。)

参考文献:http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20100909_390689.html


i.Linkを使ったHDDのムーブ回数は無制限

 DVDは取り出し可能なメディアであり、ムーブ機能を悪用された場合には、 無数のコピー作成によって著作物に大きな被害をもたらす懸念がありました。
 一方、HDDは、取り出す人も少なく、また、HDDの識別符号を照合した り、HDD取り出しを検出している機種もあります。不正な状況を検出する と動作しないばかりか、次回の起動時にHDDを初期化したり、二度と電源 が入らないように設定される機種もあります。このような保護機能によって、 ムーブ機能搭載による悪用は、DVDに比べて、少ないと考えられています。
以上ような背景から、DVDのような無数のコピーが作りにくいという解釈によっ て、HDD→HDDに関しては、何回でも、ムーブが可能な機器が登場してい ます。

  ムーブ対応HDDでのムーブ       (ムーブ回数には制限なし)

ムーブ対応HDDでのムーブ


 但し、ムーブ対応は、メーカによって対応方針が異なるので、機種によって 対応状況や制約などが、全く異なります。ムーブを利用したい場合は、必ず、 制約事項や相互の互換性などを確認する必要があります。

機種名
チュ
ーナ
対応ディスク HDMI i.Link
内蔵
HDD
Blu-
ray
DVD
RAM
DVD
RW
DV ムーブ TS
出力 入力
SHARP BD-HD100 160G
Pana DMR-E700BD
SHARP DV-ARW15 500G
日立 DV-DH1000W1T
東芝 RD-X6600G
Pana DMR-EX300400G
SONY RDZ-D90400G
        ※ iLink接続では、相手の機種との互換性確認が必要です         ※ 最新情報は「資料編 - レコーダー」を参照

iDVR-Secure(SAFIA対応HDD)

 しかし、現実には、HDDを取り出してムーブ機能を悪用する人も存在して いました。(現在は、衛星アップデートにより悪用出来なくなっています。) また、HDDを交換不能にしてしまうと、HDDの容量アップや修理の際の HDD交換に問題が出てしまいます。
 そこで、著作権保護のための規格SAFIAと、SAFIA対応HDDのiDVR-Secureが、 日立 SHARP SANYO Pioneerの4社が中心になって開発されました。


  HDD用著作権保護規格:SAFIA
     (Security Architechture For Intelligent Attachment device)
  SAFIA対応HDD(メディア):iDVR-Secure(iDVR-S、SAFIA HDD)

 iDVR-Secure(iDVR-S) は、パソコン用のリムーバブルのHDD規格iVDRと、 同じくパソコン用の内蔵HDD(Serial-ATA)とに、著作権保護のための規格 SAFIAを搭載したものです。現在、パソコン用で使用されているiDVRはSAFIA に対応していないので、放送の録画用には使用できませんが、SAFIAに対応し たiDVR-Secureでは放送の録画用メディアとして使用できるようになります。
 下表のように、ユーザ交換が容易な「リムーバブルHDD」が3サイズと、 原則としてユーザ交換は行わないビルトイン(レコーダに内蔵用)HDDが3 サイズが規格化されています。

SAFIA対応 iDVR-Secure
名称 サイズ[mm] 形態 コネクタ
iDVR-Secure   (2.5型) 110×80×12.7 リムーバブル
(挿抜1万回)
iVDR 26pin
iDVR-Secure Mini (1.8型) 67×80×10
iDVR-Secure Micro 50×50×8 iVDR Micro-26pin
iDVR-Secure Built-in 3.5 SFF-8301準拠 ビルトイン
(内蔵用)
Serial-ATA
(7pin)
iDVR-Secure Built-in 2.5 SFF-8201準拠
iDVR-Secure Built-in 1.8 SFF-8111準拠



    ┏━━━━━━━━━━━━━┓
    ┃┏━━━━┓   ┏━━━┻     ┌────┐
    ┃┃iDVR-S ┃   ┃      着脱 |iDVR-S |
    ┃┃    ┃   ┃      ←─ |    |
    ┃┃Built-in┃   ┃iVポケット 可能 |    |
    ┃┗━━━━┛   ┗━━━┳     └────┘
    ┗━━━━━━━━━━━━━┛     リムーバブル
      ハイビジョンレコーダ        メディア

 SAFIA HDDでは、128ビットAES暗号方式(Advanced Encryption Standard)を 用いてコンテンツを暗号化するとともに、PKI公開鍵インフラ技術によって 互いの機器を相互認証する仕組みが盛り込まれています。
 これらが規格化されることで、同一機種はもちろん、他社の多機種のHDD との相互交換が可能になります。さらに、HDDならではの高速アクセス を利用して、HDD間での高速ムーブにも対応します。現状のiLinkでは 実時間のムーブ時間が必要(60分番組ならムーブに60分がかかる)であり、 飛躍的に改善されるものと期待されています。




    ┏━━━━━━━━━━━━━┓
    ┃┏━━━━┓   ┏━━━┻┐
    ┃┃iDVR-S ┃ 高速 ┃iDVR-S |
    ┃┃    ┃──→┃    |
    ┃┃Built-in┃ムーブ┃    |
    ┃┗━━━━┛   ┗━━━┳┘
    ┗━━━━━━━━━━━━━┛
      ハイビジョンレコーダ   

  参考情報: http://www.ivdr.org/pdf/2006seminar/seminar1.pdf      iVDR規格の全体像とその概要 http://www.ivdr.org/pdf/2007/SV07.pdf            Removable HDD Standerd iDVR http://www.ivdr.org/pdf/HWSpec-18-OUTLINE_J.pdf       iVDRハードウェア規格概略 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/03/0320.html iDVR搭載テレビ http://www.ivdr.org/index_j.html              iDVRコンソーシアム http://www.safia-lb.com/                  SAFIAライセンス

録画済DVDのバックアップ

 次に、PCを使用した、特殊なコピーワンス機能について説明しますが、本 方法は、通常のパソコンデーター等のバックアップと異なり、親となるメディ アが破損した場合は、データを復元できませんので、ご注意ください。
 具体的には、下図のように、PC用DVDドライブを利用して、DVDの内容 を、全て、PCのHDDへバックアップします。
  CPRM対応DVDの同一ディスクへのコピー(バックアップ用)

CPRM対応DVDの同一ディスクへのコピー

 誤ってDVDの内容を消してしまったりした場合には、同一DVDディスク に、PCのHDDからDVDへ全てのデータ戻すことで復元できます。 したがって、DVDメディアの劣化や誤消去から大切な映像をバックアップ したい場合には、利用できますが、「同一のディスクにしか復元出来ない」 ため、ディスクが破損してしまうと、復元できません。
 もし、異なるディスクにコピーした場合は、コピー後のディスクを再生しよ うとしても、不正にコピーされたことが検出され、正しく再生できません。
 つまり、CPRMによるコピー制御が正しく機能している上、本方法は著作 権保護の仕組みを改変していないため、法的に何ら問題無いと判断して掲載 しています。

CPRM対応レコーダー

 CPRMとは、Content Protection for Recordable Media の略で、DVD-RAMや、 DVD-RW、(最近ではDVD-R等)の録画用DVDで著作権保護に対応したディスクの ことです。
 既に説明しましたが、コピーワンスのDVDへの録画やムーブには、CPRM対応 のDVDディスクが必要です。また、DVDレコーダもCPRMに対応したものが必要 です。以上は容易に理解できると思いますが、CPRM対応レコーダの中には、 CPRM対応ディスクに録画することは出来るけど、HDDからのムーブはできな いという機種がありました。(2004年4月以前に発売された古いモデル)

CPRMおよびムーブ(移動)対応状況
評価 CGMS検出 CPRM対応 ムーブ対応 機種例
優秀◎有○対 応○高 速 対 応 ◎最新機種は、ほとんどが対応
妥当○有○対 応○再エンコ対応○旧DIGA(HS1,HS2,E80H,E90H)
不便△有○対 応○非  対  応×スゴ録(RDR-HX6/8/10)
論外×有○非対応×非  対  応×PSX(DESR-7100/5100以前)等
評価外無×非対応×非対応(可能)○悪用の懸念があり非公開
 CPRMでは、CPRM対応のDVD-RAMメディアと、CPRM対応のDVDレコーダーの間で 暗号キー(暗号の為のパスワードのこと)が生成されます。また、DVDレコーダ 内の暗号キーも2重に暗号化されていて暗号キーが漏れないように工夫され ています。
 他にも、市販DVDソフトに採用されているCSS(Content Scramble System) という暗号化方式もあります。

 なお、現状のDVDには、ハイビジョン画質のまま記録することは出来ません。 ハイビジョン画質を、一旦、通常画質に変換して録画するので、画質は劣化 します。一方、Blu-rayには、ハイビジョン画質のまま記録できます。

CPRM対応プレーヤー

 コピーワンス放送を録画(又はムーブ)したディスクを再生する場合も、 CPRMに対応したプレーヤが必要です。
 CPRM対応DVDレコーダを持っていれば、当然、レコーダをプレーヤとして 使用するので、問題がありません。しかし、他のレコーダやプレーヤ、 パソコン等で再生する場合は、再生側も対応しておく必要があります。  例えば、CPRM対応ディスクをパソコンで再生する場合はCPRM対応の再生 ソフトが必要になります。


  interVideo WinDVD 6 (CPRM対応版)
  CyberLink PowerDVD 5 デジタル放送対応版
  Panasonic DVD-MovieAlbumSE 4 CPRM(有償)アップデート版
                         2004年12月現在


CGMS-A(Copy Generation Management System-Analog)

 コピーワンスのデジタル放送録画をS端子やコンポジット端子で行なった 場合であっても、コピー制御信号CCIによるコピー制限を実現する必要が あります。このようにアナログの映像信号にコピーワンス情報を埋め込ん だ信号をCGMS-A信号と呼びます。
 CGMS-A信号はアナログ映像の同期信号の一部にコピー制御信号CCIを挿入 されており、CGMS-Aに対応したデジタル録画機器がCGMS-A信号を検出する ことで、コピー制御を実現しています。このため、デジタル録画機器であっ てもCGMS-Aに対応していなければ、コピー制限を受けずに録画することが 出来ます。但し、CGMS-Aに対応していないレコーダは、ほとんど存在して おらず、例えば、CPRMやムーブに対応していなかったモデルであっても、 CGMS-Aの検出には対応しております。(一部のパソコン用の機器や、一部の パソコンメーカのDVDレコーダを除く)

 CPRM対応と紛らわしいので、念のために説明しておきますが、チューナー とDVDレコーダーをS端子で接続しておき、DVDにデジタル放送を録 画する場合は、次のような役割を果します。


 CGMS-A:チューナーからレコーダーにコピー制御信号CCIを伝達
 CPRM :CCIに応じてCPRM対応DVDディスクに記録

マクロビジョン(Macrovision)

 DVDソフト等で使用されているコピーガード信号のことで、DVDレコーダー がマクロビジョンを検出するとHDDやDVDに録画しないように働きます。
 前述のコピー世代を管理してコピーワンスを実現しているCGMS-Aと似てい ますが、コピーを制御するのでは無く、コピーを阻止するという点で異な ります。


方式名    |目的   |方法        |実施例
───────+─────+──────────+────────
CGMS−A |コピー制御|管理情報を付加する |コピーワンス放送
マクロビジョン|コピー阻止|ガード信号を付加する|市販DVDソフト

 CGMS-Aを検出しない機器は2004年頃まで多く販売されていました。しかし、 マクロビジョンを検出しない機器は、1999年にコピー阻止信号を除去する 装置の販売が法律で禁止されるようになったため、ほとんど存在しません。

ダビング10(コピー9回+ムーブ1回)(コピーワンス規制緩和)


 2008年06月02日より、コピーワンス規制を緩和するための新しいコピー制御 方式「ダビング10」が導入されます。

 ダビング10では、HDDに録画した番組はBlu-rayディスクやDVDメディアに コピーすることが可能になります。コピーされたディスクはコピーワンスの 「ノーモアコピー」と同じ状態になります。Blu-rayやDVDからのムーブは、 出来ません。

著作権保護のためのコピー制限内容(ダビング10)
  制御情報CCI ダビング10 制限内容
コピーフリー 録画(コピー)が自由に出来る
Iコピーワンス ダビング10HDD録画に限り9回までコピーが出来る
1回だけ、録画が出来る
ノーモアコピーコピー不可の状態(ムーブは可能)
×コピーネバー 録画(コピー)が、一切、出来ない
          ※但し、法律で個人や家庭での利用に限定されています。


EPGにダビング10表示なし


 EPGにはダビング10表示が出ないことになりました。つまり、録画してみないとダビング10かどうかが分からないということになりますが、地上デジタルは全てダビング10に移行する見込みですので、大きな支障は無いでしょう。(BSデジタルはダビング10とコピーワンスが混在する可能性があります。)

ワンセグもダビング10対象


 当初は、ワンセグのような低画質の放送に対してはダビング10の対象外とする話も出ていたのですが、残念ながらワンセグもダビング10の対象になってしまいました。しかし、運用規定上はコピーフリーかダビング10かを放送局側で選択できますので、本年中のサイマル規制の終了後は、放送局側でコピーフリーに設定することも考えられます。従来からも、ARIBの運用規定上は問題ない規格になっているのですが、放送局が実際の運用で、どのように設定するのかは分かりません。

アナログ出力


 同様に、アナログ出力をコピーフリーにする話も通らなかったようです。しかし、HDDに録画した番組のアナログ出力が1回録画可に変更されましたので、HDDからのアナログ出力は回数が無制限でコピーが可能になります。但し、コピーした番組の、さらなるコピーは出来ません。このような制限を受けるのは、地上デジタル放送をデジタル記録方式のレコーダーにコピーした場合のみです。VHSテープにアナログで録画した番組は、従来どおり無制限にダビングが可能です。

http://www.dpa.or.jp/images/news/dub10-outline.pdf
2007/02/07 追加情報

  2008年2月以前のコピーワンス規制緩和についての情報は、「
規制緩和」 を参照ください。

EPN(Encryption Plus Non-assertion)

追記:EPNの導入は一部に限られることになりそうです(2007年04月)
 地上デジタル放送の規格の中にEPNと呼ばれる暗号化方式があります。
 現在のデジタル放送ではコピーを防止する映像に対して、暗号化やスク ランブル信号を重畳させています。これに対してEPNでは全ての映像に 暗号化を行なって、EPN対応のチューナーやレコーダーでしか再生でき なくなります。EPNは、地上デジタル放送の規格に含まれているので、 現在、市販されている地上デジタル放送に対応した製品であれば問題なく 再生できます。また、録画および再生機器だけでなく、記録メディアにつ いてもCPRM等に対応している必要があります。
  EPN方式でのCPRM対応DVDへのコピー

EPN方式でのCPRM対応DVDへのコピー

 EPNでは、コピーの世代制限が無くなる代わりに、EPNに非対応な機器 での再生が出来なくなります。非対応の機器やメディアにコピーしても、 暗号が解読できないため、不正コピーを防止することが出来ます。

 例えば、インターネットを通して、多人数に配布することは出来ません。
 しかし、同じネットワークでも、家庭内LANでは、互いに認証しあえた 機器同志で相互に再生できるようなる予定です。但し、相互に認証のため の仕組に対応した機器が必要になります。つまり、EPNだけではLAN 共有できません。今後、DRM(digital rights management)に対応した
DLNA 対応機器などで可能になると思います。

本ページ記載事項に関して

 本ページは、ダビング10やコピーワンスの仕組みや制限についての内容を、 多くの方に、理解いただくことを目的としています。
 合法/違法を問わず、著作物のコピーを推奨しているわけではありません。
 また、著作権保護についても、一読ください。

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