ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ方式編

i.Link

作成:2005年03月

i.Link

 下図は、一部のデジタルテレビやデジタルチューナー等に搭載されているiLink端子とiLinkケーブルの写真です。

i.Link (TS) 端子
i.Link(TS)端子とi.Link(DV)端子

i.Link ケーブル
i.Link ケーブル

 iLink とは、デジタル信号を転送する規格の愛称です。主に、以下のような3種類の機器に搭載されており、それぞれでの呼び名が少しずつ異なります。
  1. デジタル放送受信機に搭載されている。(i.Lnik-TS端子とも呼ぶ)
  2. DVカメラに搭載されている。(DV端子、i.Link-DV端子とも呼ぶ)
  3. パソコンに搭載されている。(IEEE1394、FireWireなどとも呼ぶ)
 ここで注意しなければならないのは、「上記の用途を一つのiLink機器で使用できるという意味では無い」ことです。iLinkはデジタル信号を転送する方法の規格に過ぎず、多くの機器は上記のうちの一つか2つくらいまでしか対応していません。例えば、ハイビジョンチューナのiLink-TS端子にパソコン用IEEE1394付きHDD(ハードディスク)を接続しても録画は出来ません。つまり、何が出来るi.Linkなのかを確認することが重要なのです。

 3つのi.Link|用途(何が出来るi.Linkなのか)
 ──────┼──────────────────────────
 (1) iLink-TS|デジタル放送をレコーダ(HDD,DVHS,Blu-ray)にムーブ
 (2) iLink-DV|DVカメラの映像をレコーダに転送したり、パソコンに転送
 (3) IEEE1394|パソコンの周辺機器の接続

i.Link(TS)

 デジタル放送に最も関係深いi.Linkはi.Link-TS端子です。かつて、D-VHSと呼ばれるデジタル方式のビデオデッキでハイビジョン録画をするための端子として使われていました。

┏━━━━━┓i.Link┏━━━━━┓
┃チューナー┃──→┃D−VHS┃
┗━━━━━┛ 録画 ┗━━━━━┛

 最近は、主にHDDへの
ムーブなどに使われるようになりました。(但し、対応機種や相互接続性を確認する必要があります)

┏━━━━━┓i.Link┏━━━┓i.Link┏━━━┓
┃チューナー┃──→┃HDD┃──→┃HDD┃
┗━━━━━┛ 録画 ┗━━━┛ムーブ┗━━━┛

┏━━━━━━━━━┓i.Link┏━━━┓
┃HDD付チューナー┃──→┃HDD┃
┗━━━━━━━━━┛ムーブ┗━━━┛

 i.Link-TSのTSとは、 Transport Stream の略で、放送されてくる映像データの含まれた188バイトの固定パケットのことです。

 TS出力:デジタル放送を録画した番組を出力する機器。(ムーブ元)
 TS入力:TS出力された番組を入力する機器。(ムーブ先)

 例えば、TS出力機能つきのDVDレコーダーからTS入力機能付のBlu-rayレコーダーにムーブする場合は以下のように接続します。

 ┏━━━━━━━━━━━━━┓i.Link┏━━━━━━━━━━━━┓
 ┃DVDレコーダー※ (TS出力)┃──→┃(TS入力)BDレコーダー┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━┛ムーブ┗━━━━━━━━━━━━┛

    ※但し、ハイビジョン録画が可能なハイビジョンレコーダーに限る

 TS出力に対応したDVDレコーダーは、一部のメーカーからしか登場していません。搭載機種については「資料編-レコーダー」を参照下さい。

i.Link-DV端子(Digital Video)

 主にDVカメラ(デジタルビデオカメラ)に搭載されています。また、一部のレコーダにも搭載されています。個人で撮影したDVテープは著作権保護の必要が無いので、下図のように、デジタルコピーが可能です。

┏━━━━━┓i.Link┏━━━━━━━┓
┃DVカメラ┃──→┃DVDレコーダ┃
┗━━━━━┛コピー┗━━━━━━━┛

 ハイビジョンレコーダには、iLink-TSとDV端子が搭載されている場合や、後述のHDV端子が搭載されている場合があります。しかし、単にiLinkとだけ書かれている場合はi.Link(TS)なのかDV端子なのかあるいはHDVに対応しているのか等を判断しにくい場合があるので注意が必要です。
 また、ビデオ映像をDV出力に変換する機器も販売されています。DV入力端子を搭載したパソコンなどにビデオ映像を取り込むための機器ですが、例えば、レコーダのDV入力と接続することも可能です。

Canopus ADVC-55

HDV端子(High-Definition Video)

 ハイビジョンのDVカメラ(デジタルビデオカメラ)であるHDVに対応したDV端子をHDV端子と呼んでいます。元々、HDV規格は、DVテープにハイビジョン記録を行うために、SONY、Canon、SHARP、Victorの4社によって規格化されました。画質も地上デジタル放送と同じ1440×1080のMPEG2方式です。HDV端子に出力する信号も同じTS信号です。Panasonicは規格策定に参画しておらず、ビデオカメラでは採用していませんが、レコーダでは採用しています。つまり、レコーダ市場の主要3社であるSONY、SHARP、Panasonicともに採用している規格であり、しかもTS信号であることから、汎用性に優れた規格と言えるでしょう。

DTCP

 DTCP(Digital Transmission Content Protection)とは、i.Link(TS)を使用して、著作権保護しつつ2つの機器(例えば、HDDからBlu-ray)で映像を転送する方式名です。コピーワンスのようなコピー保護の制御情報(CCI)を映像を送信する送信側(Source機)から、受信側(Sink機)に伝えますので、コピーワンスで保護された映像の転送が終わると、元の映像を自動消去する「ムーブ機能」を実現することが出来ます。ムーブ機能については、「方式編-
ダビング10」を参照ください。また、映像信号は、送信側と受信側で取り決めた暗号キーによって暗号化してしてから転送される為、分岐ケーブルなどでの違法な複製も出来なくなっています。HDMI端子で使用されているHDCPに類似していますが、HDCPは映像そのものを認証されたテレビ(表示装置)に伝送する方式です。これに対してDTCPはMPEG2などの圧縮符号化された映像を伝送する方式です。

IEEE1394(FireWire)

 IEEE1394端子は、パソコンと周辺機器を接続する為の端子です。下図のように通常のiLink端子よりも少し大きく、コネクタの形状も異なります。AppleのMacintoshではFireWire(図の左側)と呼びますが、Windowsのパソコンでは、IEEE1394(図の右側)と呼ぶのが一般的です。

パソコンで使用される IEEE1394端子 (FireWire)
パソコンで使用される IEEE1394端子 (FireWire)

 通常のiLink端子は信号4本の4ピンですが、FireWireでは同じ信号線4本と電源2本の6ピン端子になっています。また、いずれも別途シールド端子1ピンがありますが、一般に4ピン、6ピンと呼んで区別しています。

i.Link端子とFireWire端子の違い
名称 ピン数 電源供給 コネクタ形状
i.Link端子 4本 × 不可 小さな凹型
FireWire(IEEE1394)端子 6本 ○ 可能 将棋の駒型

 ただし、USB2.0の登場してからはFireWire端子の用途が減ってきており、DVカメラの映像をパソコンに転送することに限定されつつあります。

i.Link端子もDV端子も全てIEEE1394規格

 分かりやすくする為に、iLinkを、(1)iLink-TS、(2)DV端子、(3)IEEE1394と、分けて説明してきましたが、実は、全てがIEEE1394規格のデジタル転送方式です。IEEE1394は、元々、Appleが開発したFireWireを標準化したものでした。Appleは、FireWireという名称で普及させたかったのですが、家電製品には「Fire」の文字が相応しくないということで、ソニーがi.Linkと商標登録して、家電業界に普及させた歴史的な経緯があります。つまり、IEEE1394、FireWire、iLinkの全てが、同じIEEE1394規格を表したものなのです。

       ┏━━━━┓  ┏━━━━┓  ┏━━━━┓
    機器 ┃チューナ┃  ┃DVカメラ┃  ┃周辺機器┃
       ┗━━━━┛  ┗━━━━┛  ┗━━━━┛
          ↑       ↑      ↑
       ┏━━━━┓  ┏━━━━┓    |
    名称 ┃iLink-TS┃  ┃DV端子┃    |
       ┗━━━━┛  ┗━━━━┛    |
           ↑    ↑   ↑    |
          ┏━━━━━┓  ┏━━━━━┓
    利用シーン ┃ AV  ┃  ┃ パソコン ┃
          ┗━━━━━┛  ┗━━━━━┛
             ↑       ↑
          ┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓
    規格の名称 ┃ i.Link ┃=┃ FireWire ┃=┃ IEEE1394 ┃
          ┗━━━━━┛ ┗━━━━━┛ ┗━━━━━┛

 とはいえ、一般にIEEE1394と呼べば、パソコンの周辺機器を接続する規格であることが多く、FireWireが併記されていれば、パソコン用と断定できますし、iLinkと併記されていればAV用です。「iLink S400」と「400」などの数字は伝送レートを表しています。通常は、100Mbps,200Mbps,400Mbpsですが、800Mbps,1600Mbps,3200Mbpsなども規格化されています。

ハイビジョンレコーダの例(2005年6月更新)

機種名     |録画ディスク  |HDMI|iLink   |ムーブ  |
 (2005年6月現在)├──┬──┬──┤  ├──┬──┼──┬──┤
        |BD|RAM |RW |  |DV|TS|出力|入力|
────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼
SHARP BD-HD100 | ○ | △ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
Pana DMR-E700BD| ○ | ◎ | × | × | × | × | × | × |
────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼
SHARP DV-HRD300 | × | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
日立 DV-DH400T | × | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
Pana DMR-EX300 | × | ◎ | △ | ○ | × | × | × | × |
SONY RDZ-D5  | × | × | ○ | ○ | ◎ | × | × | × |

        ※ iLink接続では、相手の機種との互換性確認が必要です
        ※ 詳細は、「資料編 - レコーダー」を参照ください

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