ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ資料編 - 歴史
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(一部の朱字追記:2007年04月)
このページでは、BSデジタルチューナを含む、デジタルチューナの歴史を紹介
しています。原則的に更新しませんので、トップからのリンクはありません。
最新機器については、「新製品情報」で確認ください。
Panasonicのデジタルチューナの歴史(関連機器)
2000年 9月:TU-BHD100 BSデジタルチューナ
・放送開始当時、予約殺到だった人気モデル
2001年 3月:NV-HDR1000 デジタンク(デジタルチューナ非搭載)
・TU-BHD100と組み合わせて使用するHDD(30GB)レコーダ
2001年10月:TU-BHD200 BS/(CS)デジタルチューナ
・110度CSに対応する為には衛星ダウンロードが必要(終了)
2002年 3月:TU-BHD250 BS/CSデジタルチューナ
・TU-BHD200のCS放送対応アップデート済の機種
2002年 5月:EP-P100 HDD(60GB)内蔵 BS/CSデジタルチューナ
・蓄積コンテンツ対応(2004年3月サービス終了)
2002年 9月:TU-BHD300 BS/CSデジタルチューナ
・低価格化、低消費電力化を実現した機種
(2002年11月:Rec-POT S HVR-HD120S/160S ハードディスクレコーダー)
・iLink接続HDD(120GB/160GB)
・アイ・オー・データより発売し、他社チューナにも対応
2003年 9月:TU-MHD500 地上/BS/CS デジタルチューナ
・国内初の単体の地上デジタルチューナ
(2004年 4月:Rec-POT M HVR-HD160M ハードディスクレコーダー)
・著作権保護に対応
・TU-BHD100が非対応になった
2004年 7月:DMR-E700BD Blu-ray搭載 地上/BS/CS ハイビジョンレコーダ
・SONYよりも1年以上、遅れてのBlu-ray搭載
・iLink非搭載、HDD非搭載(接続も不可能)で非実用的
(2004年12月:Rec-POT M HVR-HD250M ハードディスクレコーダー)
・容量アップ
2005年 4月:TU-MHD600 地上/BS/CS デジタルチューナ
・CATVパススルー対応
2005年07月:DMR-EX300 HDD/DVDレコーダー
・Panasonicブランド初のHDD内蔵デジタルチューナー
・標準画質をハイビジョン信号に変換してHDMI出力可能
SONYのデジタルチューナの歴史
2000年12月:DST-BX100 BSデジタルチューナ
・他社よりも出遅れての登場
・しかも、iLink非搭載
2001年12月:DST-BX500 BS/(CS)デジタルチューナ
・Panasonic、SHARPから9ヶ月遅れで、HDD対応
・専用のiLink接続HDD(80GB) VRP-T1に録画可能
・衛星ダウンロードにより110度CSに対応可能
2001年12月:DST-BX300 BS/(CS)デジタルチューナ
・DST-BX500と同時発売の廉価版(iLink無し)
2003年 4月:BDZ-S77 Blu-ray搭載 BSデジタルハイビジョンレコーダ
・他社よりも1年以上先行してBlu-ray搭載
2003年10月:DST-TX1 地上/BS/CS デジタルチューナ
・単独チューナとしては、Panasonicと2社で独走状態
・専用のiLink接続HDD(120GB) VRP-T3に録画可能
・Blu-rayレコーダーBDZ-S77(要アップグレード)に対応
2004年12月:VGP-DTU1 VAIO用デジタル放送拡張ユニット
・ハイビジョン品質でVAIOに録画&再生が可能
(HDCP対応のDVI接続モニターのみ)
2005年06月:RDZ-D5 HDD/DVDレコーダー
・SONY初のハイビジョンHDDレコーダー
・キーワードやジャンル設定で自動予約が可能 ・HDMI出力
SHARPのデジタルチューナの歴史
2000年 9月:TU-HD1 BSデジタルチューナ
・結果的に国内初登場になったBSデジタルチューナ
・但し、iLink非搭載につき、私は他社品を待った。
2001年 3月:TU-HVR100 HDD(60GB)内蔵 BS/CSデジタルチューナ
・国内初のHDD内蔵チューナで、1年以上、独走状態。
・iLink非搭載(デジタル放送はテープではなくHDDに録画)
2002年 7月:EP-S100 HDD(80GB)内蔵 BS/CSデジタルチューナ
・遅れていたiLink装備
・ほぼ同時期にToshibaとPanasonicが発売
・蓄積コンテンツ対応(2004年3月サービス終了)
2002年12月:DV-HRD1 DVD+HDD(80GB)搭載 BS/CSハイビジョンレコーダ
・初のDVD+HDD内蔵チューナで、約2年間、独走状態だった
・HDDに録画して、保存したいものはDVDへというスタイル
2003年 3月:DV-HRD10 DVD+HDD(180GB)搭載 BS/CSハイビジョンレコーダ
・DV-HRD1の容量アップ
2004年 2月:DV-HRD2 DVD+HDD(160GB) 地上/BS/CSハイビジョンレコーダ
・地上デジタル対応、iLinkムーブ対応
2004年 3月:DV-HRD20 DVD+HDD(250GB) 地上/BS/CSハイビジョンレコーダ
・DV-HRD2の容量アップ
2004年 7月:DV-HRD200 DVD+HDD(400GB) 地上/BS/CSハイビジョンレコーダ
・DV-HRD20の容量アップ
2004年12月:BD-HD100 Blu-ray搭載 地上/BS/CSハイビジョンレコーダ
・国内初のBlu-ray+HDD機
・iLinkムーブの入出力両対応、HDMI出力対応
2005年 3月:DV-HRD300他 DVD+HDD(400GB) 地上/BS/CSハイビジョンレコーダ
・DV-HRD200の後継シリーズ
・DVD-RAM再生、HDMI出力対応
解説 1.Panasonic
Panasonicは、上記以外にもケーブルテレビ用を手がけておりデジタルチュー
ナ単体や地上デジタル内蔵のプラズマテレビでは2005年4月現在トップシェア
のメーカーです。
HDDハイビジョンレコーダとしては、2001年3月に発売したきりで、SONYのよ
うな専用iLink接続HDDや、SHARPのようなHDD搭載機器は発売していませんで
した。(但し、2005年7月に初のHDD搭載チューナを発売)
これは、SDメディアや、DVD、Blu-rayなど、軸足を記録媒体を中心にして
商品展開することでの優位性を維持したい商品戦略があり、その戦略の一環
であると考えられます。また、専用iLink接続HDDをPanasonic専用のオプショ
ンにしてしまうと、小さな市場では販売台数も少なくなり、結果的にHDD機能
相応の価格が出せなくなるためと思います。
しかし、アイオーデータのRec-POTは、PanasonicとQuantum(Maxtor)が共同で
開発したAVHDD技術が採用されており、中核となるIEEE1394/HDDコントローラ
基板も、Panasonicが設計したもので、基板にもPanasonicと表示されています。
但し、概観やLED部はアイオーデータ製、HDDドライブそのものはサムスン製
ですので括弧付でリストにあげております。
また、Panasonicデジタル機器は、2000年に発売された初代DIGA(DMR-E10)から
全機種でCPRMに対応しており、著作権保護に対する意識と、保護技術の実用
化で先行しています。また、HDD搭載機種では、やはり、HDD搭載の初代機
(DMR-HS1)からHDDからのムーブに対応しており、著作権保護に前向きです。
但し、HDD内蔵の旧モデル(DMR-HS1,DMR-HS2,DMR-E80H,DMR-E90H)では、ムーブ
時に再エンコードが行われました。それでも、BSデジタル放送が開始された
ばかりの当時からの前向きな姿勢は、大変、評価すべき点であると思います。
しかし、ハイビジョンレコーダや、Blu-ray機でのムーブ対応は、後述のSONYや
SHARPよりも遅れています。2004年7月時点の DMR-E700BD や 2005年7月時点の
DMR-EX300でiLinkが搭載されていない状況です。(但し、DMR-EX300はHDMI搭載)
現行モデルではi.Linkが搭載されておりi.Linkムーブにも対応しています。
軸足を記録媒体を中心にした展開は継続しており、SDメディアでのSDHCの登場
や、競合他社に以上にBlu-rayレコーダーへ注力している点など、当時の商品
戦略の継続が、技術力とブランド力の両方を維持し、トップメーカーとしての
地位も保ち続けています。 (2007年04月)
解説 2.SONY
ソニーは言わずと知れた、AV機器メーカのトップシェアのメーカーで、本来
ですと、一番トップに解説しなければならないメーカです。
しかし、残念ながら、民生用(家庭用)のデジタル放送機器という点では、出遅
れてしまっている状況でした。ソニーは、スカパーに出資しているせいもあり
「地上/BS/CSデジタルに関しては出遅れていた」と、言う方が正しいかもしれ
ません。
実際に、上表のとおり、BSデジタル放送、地上デジタル放送の対応商品が、
他社よりも遅れてしまっていたことは事実です。
また、著作権保護技術でも、2003年11月末に発売された初代「スゴ録」にすら
ムーブに非対応でした。3ヵ月後には、デジタル放送がコピーワンスになって
しまうという状況であり、放送業界の流れに完全に遅れてしまい、これまで、
ソニー製品を愛用してきて、本機の登場を心待ちにしていたユーザーを落胆さ
せてしまいました。
このような著作権保護技術の対応の遅さは、マーケティングの中心を北米市場
に合わせている志向的な傾向によるものだと思います。もちろん、同じ機種を
北米で発売するという意味ではなく、ソニーのマーケティング体質に北米向き
の傾向があったのだと、思います。というのも、北米での著作権保護に対する
考え方は、著作者よりも消費者を優先する傾向があります。この点で、著作者
の権利を優先する我が国とは、異なりますので、このような失敗が起こってし
まったのでは、無いでしょうか。
とはいえ、以上は、あくまで過去の話であり、2004年末あたりから、大きな
変化が見られるようになりました。ボクは「2004年末」がソニーの転機である
と考えています。それは、遅れてはいましたが、2004年末時点では、ほとんど
の機種でムーブ対応しきており、ゲーム機のPSXにおいても、2004年12月に
発売された(DESR-7500/5500)からムーブ対応済です。
しかも、DVD-RAMが大半のシェアを占めていた状況を、DVD-RWも存在感が出て
くるような状況にあり、かつてのソニーのような復活の兆しが見えてきていま
す。
Blu-ray機の SONY BDZ-S77 は、もちろん、他社よりも、1年も先行して登場
していたのですが、実使用レベルに至ったのは、2004年10月に実施された著作
権保護技術のアップデート対応でしょう。これも、ほぼ「2004年末」でした。
同社製の専用HDDからのムーブに有償アップデートで対応したことで、HDDに録
画して、必要なものだけディスクに保存することが出来るようになったのです。
さらに、2004年12月には、プラズマテレビを縮小して液晶への集中することを
発表するなど、明らかに、前向きな変化が実感できます。今後は、トップメー
カとしてのブランド力を武器に、大きく、巻き返してくると思います。
現在、予想通りの巻き返しがあり、ソニーの遅れは完全に取り戻されました。
テレビやレコーダーのコア技術をブランド力で他社からうまく取り込んだ点が
復活を牽引したものと思います。反面、「技術のソニー」のイメージは減って
きました。経営基盤が安定したことで、現在、独自技術の開発に注力している
ものと予想されます。新技術の創出には時間がかかるものと思いますが、これ
からは技術面でも、かつての「技術のソニー」に復活して欲しいと期待してい
ます。 (2007年04月)
解説 3.SHARP
BSデジタル放送が登場するまでのSHARPは、AV機器には無縁のメーカだったと
思います。しかし、デジタル放送登場を期に、大型液晶テレビやHDD付
デジタルチューナのトップを走るメーカーへと変わりつつあります。
上表は、テレビ受信機を含んでいないので漏れていますが、地上デジタル放送
の実験放送(2003年7月)の段階でも、SHARPの液晶テレビだけが、実験放送に
間に合う形で登場しました。
これは、誰もが認める優れた液晶技術を武器に、デジタル放送に力を注力
することで、AV機器の事業に、本格的に参入しようとした結果であると、
思われます。2004年度の地上デジタル放送受信機器の出荷台数167万台のうち、
実に111万台が液晶テレビであります。しかも、この中に占めるSHARPの割合
は、シェア80%に迫るとも言われており、非常に大きいものと予想されます
ので、地上デジタルの普及に最も貢献したメーカであると言えます。
BSデジタル放送開始の2000年の当時は、ハイビジョン録画については、D-VHS
というビデオテープに録画するスタイルが一般的だったのに対し、SHARPは
D-VHSに録画できないメーカーでした。所詮、シャープだと思っていたのも、
つかの間で、まもなく、HDD録画、タイムシフト再生が、デジタル放送の基本
であるという一貫した考え方の商品がリリースされ続けることになります。
この分野では、独走状態で、HDD録画の次は、DVDムーブ、そして、他社から
iLink HDDが登場すると、すぐに、iLinkムーブに対応するなど、常に、一歩、
進んだ商品をリリースし続けています。
独占市場だった液晶テレビでは多くの競合他社が登場し、ハイビジョンレコー
ダーでも、アナログ放送用からハイビジョンレコーダーに移行したため、これ
まで、シャープが独占していた市場に多くの競合メーカーが登場しました。
しかし、長年で蓄積した技術を武器に、これまでは皆無だったブランド力を
大きく向上させました。
特に、デジタル放送機器では競合他社よりも先行して商品を投入してきた実績
もあり、これまでの「液晶パネルだけ」のメーカーから総合AV機器メーカー
の仲間入りを果たした上に、パナソニックやソニーと肩を並るメーカーに至り
ました。コア技術とブランド力の両方を備えた点で、今後もますますの活躍が
期待できそうです。 (2007年04月)
以上のように、現在は、Panasonic、SONY、SHARPの3社がリードしており、Toshiba、
HITACHI、Pioneerなどが追いかけている状況です。(2005年3月)
このような競争によって、より高い技術、より高い品質の商品を低価格で購入
できるようになり、普及によってハイビジョン制作番組も増加してきました。
デジタル放送を推進してきた行政や放送事業者にはもちろんのこと、デジタル
放送の対応機器の開発に努力してきた各メーカーにも感謝したいと思います。
(2007年04月)
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