ボクにもわかる地上デジタル - 地デジ報告編 - DMR-EX300 DMR-EX100

         (作成:2005年8月20日 追記:2007年05月)    地デジTopへ



過去(2005年時点)の古い製品の情報です。
執筆時点で広告としての意図はありませんでしたが、実質的に1製品の特長を
紹介していますので、読み手にとっては広告になる場合があります。


ハイビジョンDIGA DMR-EX300 DMR-EX100

  DMR-EX300 DMR-EX100のメリットは、カードリッジ対応DVD-RAMが使える安価な
  機種という点です。しかし、他社品も含めてハイビジョンレコーダには制限や
  課題が多いのが実態です。課題の重要度は、人によって異なると思いますので、
  本情報を元に、予め、どのような問題があるかを理解した上で、購入されるの
  が良いでしょう。DMR-EX300 DMR-EX100は、以下のような方にオススメです。

   ・カードリッジ対応DVD-RAMドライブの搭載機が必要な方 (もしくは)
   ・なるべく安くハイビジョン録画を楽しみたい方 (もしくは)
   ・録画した番組は再生後に消去する使い方が中心の方 (もしくは)
   ・アナログ放送の録画にもこだわりたい方

   

   PanasonicハイビジョンDIGA(ディーガ)シリーズ比較表(2005年9月)

  機種名  |HDD(地上D録画)|BD|DVD |VHS |価格|備考
  ─────┼───────┼──┼──┼──┼──┼────────
  DMR-EX100 | 200GB(25時間)| − | ○ | − |10万|標準モデル
  DMR-EX300 | 400GB(50時間)| − | ○ | − |13万|高品位モデル
  DMR-EX200V| 250GB(30時間)| − | ○ | ○ |15万|VHS(アナログ)搭載
  DMR-E700BD|  非搭載  | ○ | ○ | − |25万|Blue-ray Disc搭載

  DIGAを含めて、一般のハイビジョンレコーダには、以下のような注意が必要です。

   ・デジタル放送を録画した番組はコピーできません。
    (ムーブは可能です。コピーワンスに関する詳細はダビング10を参照。)
   ・DVDにはハイビジョン画質では録画できません。(従来画質になります)


使用レポート、レビュー情報

登場の期待 (^_^)

ハイビジョンDIGA DMR-EX300は、Panasonicブランドとしては、初のハイ
ビジョンチューナ付HDDレコーダです。Panasonicは、2001年の春に、
他社に先駆けて、デジタンク NV-HDR1000 HDDレコーダを発売しまし
た。デジタンクはアナログチューナーしか搭載しておらず、ハイビジョン
デジタルチューナーをiLinkで接続して使用するものでした。
翌2002年の春には、CS蓄積放送サービスに対応したEP-P100を発売しまし
が、Panasonicブランドではありませんでした。したがって、Panasonicに
とってのHDD内蔵のハイビジョンチューナーは、2005年7月、初めてに
なります。それだけに、登場を心待ちにして期待をよせていました。

iLinkが無い (T_T)

Panasonic DMR-EX300は、iLinkを装備していないので、録画したデジタル
放送の番組をiLinkを使ってムーブすることができません。
iLinkは、HDDに保存されている番組を他のHDDやBlu-rayレコーダー
にムーブするのに必要な機能です。現時点では、Blu-rayレコーダーは
非常に高価である為、何台も買えません。そこで、裏番組などは安価な
DVD付のHDDレコーダーに録画しておき、必要な番組だけ、iLinkで
Blu-rayレコーダーにムーブする使い方が考えられます。または、将来
にBlu-rayレコーダーを買い足すことを前提にHDDに保存しておくことも
考えられます。
いづれにしても、本機にはiLinkが装備されていないので、HDDに撮り
貯めた番組を、Blu-rayディスクに移す手段が無いことが、問題です。

したがって、大切な録画はiLink搭載機種で行い、本機は「見ては消す」
といった使い方、もしくは、DVD−RAMに限定した使い方に割り切っ
たほうが良いでしょう。(ハイビジョン映像を、DVD-RAMにムーブすると、
従来の標準画質に劣化します。)

機種名     |対応ディスク     |HD|i.Link     |製
(2005年6月現在)├──┬──┬──┬──┤MI├──┬──┬──┤造
        |HDD |BD|RAM |RW | |DV|TS出|TS入|元
────────┼──┼──┼──┼──┼─┼──┼──┼──┼─
SHARP BD-HD100 |160G| ○ | △ | ○ |○| ◎ | ○ | ○ |HP
東芝 RD-Z1   |600G| × | ◎ | ○ |○| ○ | ○ | × |HP
SHARP DV-HRD300 |400G| × | △ | ○ |○| ○ | ○ | △ |HP
SONY RDZ-D5  |250G| × | × | ○ |○| ◎ | × | × |HP
Pana DMR-EX300 |400G| × | ◎ | △ |○| × | × | × |HP
日立 DV-DH400T |400G| × | ○ | ○ |×| × | ○ | × |HP
Pana DMR-E700BD| × | ○ | ◎ | × |×| × | × | × |HP

                        詳細:方式編-i.Link
追記
同社の最新機種、DMR-XW51,DMR-XW50,DMR-XW31,DMR-XW30およびBDレコーダ
DMR-BW200では、i.Linkを搭載しi.Linkムーブに対応しています。


DVD-RAM搭載 \(^_^)/

Panasonic DMR-EX300は、カードリッジ対応のDVD-RAMを搭載しています。
これまでDVD-RAMを使用してきた方々にとっては、過去のDVD-RAMの再生用
として、とても利用価値があります。
但し、本機に限らず2005年9月現在の全てのDVDレコーダーで、DVD-RAM
にはハイビジョン画質では録画できません。
そもそも、DVDの規格にはハイビジョンでの録画方式が定められていない
ハイビジョン画質を従来の標準画質に劣化させて録画することは出来ます
し、この場合の画質も、アナログ放送の録画に比べると、格段に鮮明です。
ただし、ハイビジョン画質で録画した映像をDVDに移す(ムーブ)には、
実時間がかかります。5倍速ドライブを生かすには、ハイビジョン番組を
始めから標準画質で録画しておく方法もありますが、この場合は録画中に
他の録画済のハイビジョン番組を再生することが出来なくなりますので、
毎日のようにドラマを録画している方にとっては、不便であることに変わ
りありません。

追記
同社の最新BDレコーダDMR-BW200では、ハイビジョンでの録画方式AVCHD
記録されたDVD-RAMのハイビジョン再生に対応しています。ただし、録画は
まだ対応されていません。

待ち時間 (~、~)

今回のモデルではDVD-RAMの認識が、若干、遅くなりました。DVD-RAMを入
れてから再生までに40秒もの時間がかかるのです。しかし、再度、同じディ
スクを入れると時間は半分に短縮され従来と同等の待ち時間となります。

       機種名    |DVD-RAM待ち時間
    ──────────┼────────────
     DMR-EX300(今回)  |40秒(認識に約36秒)
     DMR-E200H(従来)  |20秒(認識に約14秒)

また、ハイビジョンレコーダーは一般的に起動時間が長く本機も同様です。

       機種名    |電源ON〜表示 |電源ON〜再生
    ──────────┼───────┼───────
     DMR-EX100(今回)  |  27秒  |  29秒  
     DMR-E200H(従来)  |  14秒  |  19秒  

                    詳細:資料編-待ち時間比較

本機ではクイックスタート機能が搭載されていますが、この機能を使用
すると、電源をオフにしたでも19Wの状態待機電力を消費します。
これは、本機を使わなくても8年で約3万円の電気代が無駄になる計算で
す。当サイトでは、クイックスタート機能は使用しないことを推奨する
とともに「チーム・マイナス6%」への参加を呼びかけています。

                      詳細:その他-環境保全

待ち時間と関連して、ボタン操作のレスポンスの悪さも気になります。
番組表ボタンを押してから、番組表が表示されるまでの時間が長すぎて
ついつい、2度、ボタンを押してしまい、番組表が表示されると、すぐ
に消えてしまうことがあります。
レスポンスの良いのは、早送りや巻き戻し、コマ送り(但し、コマ戻しは
対応していない)です。さらに、30秒スキップを連続して2回押すと
60秒スキップに、連続3回押すと90秒といった具合に押した回数分
のスキップが実行される点が、他社や従来に無く、とても、便利に感じ
ています。

映像が真ん中に小さく表示されしまう (T_T)

画面比4:3で録画された番組を16:9のワイドテレビで再生すると、左右の
両端に黒帯がつきます。しかも、番組によっては、始めから上下に黒帯が
ついている場合がありますので、この場合は上下と左右の全てに黒帯がつ
き、映像が画面の真ん中に小さく表示されしまうことになります。
他社機ではD3出力と設定しても、SD(標準)画質の映像は、D2相当の
525pで出力されていましたが、本機はD3出力と設定すると1125i固定と
なってしまいます。そして、テレビによっては、1125iで入力された映像
は画面比のモード変更が出来ない場合があります。このようなテレビを
お使いの方のみ、本問題が重要となってきます。録画した映画が、画面の
中央に小さく表示されてしまうのは、とてもみじめに感じます。
また、16:9フル出力という設定がありますが、こちらも1125i固定出力に
他ならず、同じくテレビによっては極端に横長の画面として表示されるだ
けです。
但し、DVD-Videoの場合は正しく525p出力されますので問題ありません。

追記
同社の最新機種では、再生中にアスペクトモードが切換えれるようになり
ました。初期設定ではなく再生中の切換は、とても便利です。

ハイビジョン番組と通常番組の管理方法 (-。-;)

録画済の番組は、ハイビジョン録画と通常録画で異なるリストに分けられ
ています。これに気づくまでは、録画した番組がリストに表示されないの
で、録画を失敗したのかと思っていました。本来はハイビジョン録画でも
標準画質の録画でも、同一のリストに入れるほうが分かりやすいと感じま
した。

追記:同社の最新機種では、対応されています。

アナログとデジタルの同時録画 (-h-)

他の競合機種と比較しての本機の特徴点は、アナログとデジタルの同時
録画です。用途は、地上デジタル放送の受信が不安定な場合に、とても
有効です。しかし、同時録画中はHDD内の中の録画済みの映像を再生
することが出来ません。同時録画は、あまり使えないと考えた方が良い
でしょう。

アナログ放送のEPG \(^▽^)

本機は、EPG(電子番組表)がデジタル放送だけでなく地上波アナログ放送
にも対応しています。地上デジタルの受信が不安定な地区や、デジタル
放送に移行していない局の番組録画に、とても有効な機能です。
また、地上デジタル放送のEPGで録画したい番組を見つけた場合であっ
ても、その番組を地上アナログ放送で録画したい場合があったとします。
このような場合、地上デジタル放送のEPGで選んだ番組を自動で地上
アナログ放送のEPG上の番組に移動することが出来ます。
他社機では、地上アナログ放送に関する機能が省略されている場合があ
りますが、本機では、過去のDIGAの機能を犠牲にすることなくデジタル
放送の機能が追加されています。
今後(20011年7月まで)もアナログ放送を受信される方にとっては、重要
なポイントだと思います。(但し、EPGのためにBS受信が必要です。)

マーカー機能(チャプターマーカー機能)が無い (-。-;)

他社製品の場合、番組の再生中に、途中で、他の番組を再生した場合でも
以前に再生していた場所を記憶しており、再度、再生すると中断した途中
から再生されます。(レジューム機能/自動ラストマーカー機能)
しかし、PanasonicのDIGAシリーズでは、CDプレーヤと同様で、番組の途中
に他の番組に移ったら、必ず、番組の先頭から再生されます。
これを補うための機能が、これまでのDIGAに搭載されていたチャプター機
能でした。(マーカー機能と呼ぶ機種もあります)
チャプター機能とは、再生中にチャプターを打つことで、その場所に容易
にジャンプできるようになる機能です。しかし、本機に付属のリモコンに
はチャプターボタンがありませんでした。
旧モデルのDIGAを所有しており学習リモコンを使用している方は、旧モデ
ルのチャプター(マーカー)マーカーボタンを学習リモコンに記録すること
で、アナログ放送の録画番組についてはチャプターが打てるようになりま
す。(旧製品のリモコンでもデジタル放送にはチャプターが打てません。)
リモコンは以下の機種に付属のリモコンが使えます。
                  (追加/誤りがあれば連絡ください)

  ボタン名   |チャプター(マーカー)搭載リモコンの付属機種
  ───────┼─────────────────────
  チャプター作成|DMR-EH50 DMR-EH60
  チャプター  |DMR-E220H DMR-E330H DMR-E500H
         |DMR-E55 DMR-E85H DMR-E87H DMR-E95H
  マーカー   |DMR-E80H DMR-E200H
  ───────┼─────────────────────
  使用不可   |×DMR-EX100 ×DMR-EX300
         |×DMR-HS1 ×DMR-E20 ×DMR-E30

尚、「チャプター」や「マーカー」では無く「ラストマーカー」ボタンが
リモコンについている機種もありますが、リモコンの信号が異なるため
使用できません。

追記
同社の最新機種では、デジタル放送のチャプター(マーカー)に対応してい
ます。DMR-XW50、DMR-XW30、DMR-BW200では、同社では異例のアップデート
によるチャプター機能の追加が行われました。

リモコンのボタンが大きい (^_^;)

付属のリモコンのボタンは写真などで想像する以上にサイズが大きいです。
好みが分かれるところだと思いますので、店頭で確認された方が良いでしょ
う。
また、表面のボタンが少なく、使い方によっては頻繁に使うようなボタン
がフタの中に隠されている場合があります。
例えばレコーダーの象徴である録画ボタンが、リモコンのフタの中に隠さ
れています。現在、録画ボタンをメモ代わり等で、頻繁に使っているう方
は、注意が必要です。
また、一連の動作の中で、フタの中と外の両方のボタンを使用する場合が
ありますので、フタの開閉の手間が不便に感じました。番組のタイトルを
入力する場合は、携帯電話と同様にテンキーによる入力が可能なのですが、
「テンキーはフタの中」で、「漢字変換ボタン(再生ボタン)はフタの表」
にあるのです。しかも、フタの表にあるボタンは、フタをきっちりと閉め
ないと効かないので、単語を入力する度に、きっちりとフタを閉めて、
漢字変換をして、また、フタを開けるという繰り返しになります。
文字入力をカーソルだけで実施すれば問題ありませんが、携帯電話のキー
入力に慣れている方にとっては、カーソル操作が手間に感じるでしょう。
ボタンの使用頻度だけで、フタの中と外を分けてしまっているようなの
ですが、フタを開けた状態での操作を考慮していなかったようです。
少なくとも、フタを開けてからの一連した操作は、フタを開けたままでも
実行できるべきだと思います。(4色ボタンを漢字変換に充てるなど)



一方、リモコンのボタンやボタンに書かれている文字が大きいので、子供
やお年寄りには使いやすく、頻度の少ないボタンを隠すことで誤った操作
を防止できるといった良い点もあります。
機械が苦手な人は、ボタンが多いよりも少ない方が「自分でも操作できる
かもしれない」と感じるため家族全員で使えるレコーダを目標にした姿勢
には、賛成できます。

まとめ

本機のメリット、デメリットを以下にまとめた。

 ○カードリッジ対応   = カードリッジ式のDVD-RAMに対応(5倍速)
 ○価格         = ハイビジョンレコーダとしては低価格
 ○アナログ放送のEPG = アナログ放送のレコーダとしても使用可能
 △DVDのハイビジョン変換 = HDMI端子が必要 & 3:4映像の表示方法に課題
 △アナ&デジ同時録画  = 同時録画中は、一切の再生が出来ない
 △DVD-RAMの待ち時間   = 非常に遅い(DVD-RAM挿入後40秒の待ち時間)
 ×iLink非搭載      = ハイビジョンでディスク保存する手段なし
 ×クイックスタート   = 使用禁止!!(当サイトのポリシー)
 ×サイズ        = 奥行396mmは、かなり長い(他社=奥行260mm)
               (テレビが薄型化している時代に合わない)

他社のハイビジョンレコーダと比較して、本機が特別に優れているとか、
劣っているということは無いと思います。しかし、他のPanasonicのDIGA
シリーズの完成度と比べると、物足りなく感じることでしょう。
これは、他社も含めてハイビジョンレコーダ全般に言える事で、十分に検
討した上での購入を推奨いたします。
               他社品=「資料編 - レコーダー製品情報

記載情報の正確性については、十分に配慮していますが、誤りがあった場合は連絡を
いただけるよう御願いいたします。なお、情報の誤りに対する責任は負いません。

                          
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